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サンパウロ市長=自ら定めた条例守らず=ゴミのリサイクルは1%以下

ニッケイ新聞 2011年7月28日付け

 ジルベルト・カサビサンパウロ市長は、2年前に制定した市の環境条例を実行してないと27日付フォーリャ紙が報じている。
 カサビ市長自ら提出した環境(生活環境・自然環境)保護に関連する条例は、2011年6月までに再生可能な資源ゴミの分別回収を市内全域で義務化する事と、市内96地区へ少なくとも1カ所ずつのエコポント(資源回収場所)設置を定めていた。
 しかし、現時点ではどちらの項目も満たされておらず、機能しているエコポントは42カ所(東部19カ所、西部3カ所、南部9カ所、北部9カ所、中部3カ所)。住宅などをリフォーム(改装)して出た廃棄物を処理しようとしても必ずしも簡単に処理できない。エコポントでは、建築廃材のほか、ソファーなどの家具、再生可能な資源ゴミも回収する。
 サンパウロ市では、小規模な工事現場だけで毎日約1万2千トンの廃棄物が出ているが、自治体の埋立地へと運ばれているのは5200トン。残りは1500カ所の不法堆積所にばら撒かれている。
 サンパウロ市役所は新しく37カ所のエコポントを設置しているというが、全部完成しても79カ所で、条例で定めた96カ所には及ばない。
 一方、分別回収は現在ボランティアなどによって行われており、毎日155トンのゴミがリサイクルのために回収されているが、この数値はサンパウロ市から毎日出るゴミ1万7千トンの1%以下に過ぎない。
 これに対し、市役所は「再生資源ゴミの回収は分別回収計画が実行に移された2003年以降大幅に進歩した」と釈明。公式データによると、分別回収は75地区で行なわれ、分別回収された資源ゴミの量は8年間で8倍になったという。