ニッケイ新聞 2011年7月28日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が主催する『第26回汎米日本語教師合同研修会』の開講式が、18日に同所で行われた。32人の応募者の中から選ばれた24人が受講した。開講式にはペルー、カナダ、メキシコなど国外8カ国から10人、国内からは12人、計22人が出席した。研修は同じ目的を持った者が刺激し、高め合う『協働』をテーマに、教師らの基礎力・指導力の向上、情報交換などを目的として、開講式当日から29日までの13日間行われる。
後援団体のJICAから芳賀克彦ブラジル事務所長、国際交流基金から深野昭サンパウロ日本文化センター所長、野村アウレリオサンパウロ市議らが来賓として出席した。受講者はみなスーツに身を包み、やる気と緊張感に溢れる表情を見せていた。
谷理事長は、「他国にいても自分のルーツを忘れず、誇りを持って生きることが大事。文化の塊である言語を教えることで、立派な国際人を育ててほしい」と受講者に寄せる期待を表明した。
芳賀所長は、「日系社会は今、各地で増えつつある日本語を学ぼうとする非日系人に応じる形で授業を提供している。その教師を支えるのはJICAが出来る地域貢献の一つだと思っている」と意義を語った。続いて深野所長も受講者の体調をいたわる言葉をのべた。
国内だけでも千人ほどの日本語教師がいる中、今回講座を担当するのはUSP、日伯文化連盟、国際交流基金などから集まった12人の実力ある教師陣だ。
企画委員長としてその代表を務める鶴田広子さんは、「この研修を終えたら絶対次の授業が変わります。でも、講師はただ知識や技術を提供するだけ。掴み取るのは皆さんの姿勢に関わっています」と、力強く励ましの言葉を述べた。
本人も日本語の授業を受けているという野村市議も、「今回の研修で互いの絆を深め、ひいては各国の絆を深めてほしい」と話した。
5歳の児童12人を教えている受講者の小林リリアンさん(28、サンパウロ市)は、「子供たちに、ひらがなや日本文化を楽しく教える手法を学びたい」と笑顔で答えた。
記念撮影の後、休憩の間もなく講座を開始した。教師、受講者ともに限られた時間を最大限利用し、研鑽を積もうという熱意で研修のスタートが切られた。なお閉講式は29日午後12時40分から行われる予定。