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「これからも力合わせ」=第二アリアンサ鳥取村=入植85年の節目迎え=約400人が盛大に祝う

ニッケイ新聞 2011年7月28日付け

 「出身者にとって、心の拠り所であり続けて欲しい」——。ノロエステ線ミランドポリス市の第二アリアンサ鳥取村の入植85周年を祝う記念式典が23日、同移住地の会館で約400人出席のもと開催された。地元をはじめ、サンパウロ市からアリアンサ郷友会、鳥取県人会、鳥取県から慶祝団が来伯、和やかな賑わいを見せた。同地文協の赤羽大作会長は挨拶で、「会員が減りつつあるが、これからも力を合わせていく」と決意を示した。

 第二アリアンサ鳥取村は1926年8月7日、信濃・鳥取両海外協会が共同で2536アルケールの土地を購入して創設された。翌年、鳥取県大岩村(現岩見町)村長だった橋浦昌雄氏が来伯し、初代理事に就任。
 原始林開拓、伝染病、大霜によるコーヒー全滅など数々の苦難を乗り越えてきた。現在33家族約120人が暮らす。
 式典は、午前9時半から両国歌斉唱で幕開けした。慰霊法要は同地在住の雁田米雄さん(71)によって執り行なわれ、読経の後、出席者が順番に焼香した。
 中尾秀隆実行委員長(80)が開会の辞、赤羽会長が挨拶の言葉を述べ、来伯した鳥取県教育委員会の石田正紀教育次長は、「一言で85周年と言っても、様々な苦労があったはず」と先人に敬意を表し、平井伸治知事からの祝福のメッセージを代読した。
 続いて、同地出身の木多喜八郎文協会長、ノロエステ連合日伯文化協会の白石一資会長、アリアンサ日伯文化体育協会の山崎静明会長、鳥取県人会の本橋幹久会長、同会の細田英夫第二アリアンサ支部長らが挨拶し、それぞれ、同地の今後の発展、繋がりの継続に期待を表した。
 16歳までを同地で過ごした郷友会の橋浦行雄会長(86)は、「良い人材が多数輩出され、全伯で活躍している」と同地を誇り、「これからも健康第一で、共に頑張っていきたい」とメッセージを送った。
 続いて池尻明美・ミランドポリス市議会長が挨拶し、ジョゼ・アントニオ・ロドリゲス市長は、「ミランドポリス発展に対する、鳥取村の貢献は大きい」と祝福と感謝の言葉を述べた。
 75歳以上の高齢者19人が表彰され、鳥取県訪問団と来賓が記念品を贈った。代表して挨拶した水村義男さん(85)は、「今後、若い人の良い相談相手になっていきたい」と話し、出席者に謝辞を述べた。
 昼食には、文協の婦人部による手作りの食事が振る舞われ、来訪者を喜ばせた。その後の交歓会では日本語学校の生徒が作文を発表し、「ふるさと」を合唱。温かな拍手が送られていた。
 最後には会館の外へ出て、日本語学校生徒や県人会一行が郷土芸能のしゃんしゃん傘踊りを披露、鳥取県訪問団も踊りに加わり、盛り上がりを見せた。
 同日夜には弓場農場で記念のバレエ公演、翌24日には、アリアンサ出身者が一堂に会して第46回アリアンサ郷友会の親睦会が開かれた。
 記念式典と親睦会には、サンパウロ市から2台のバスで68人が参加、会場のあちらこちらで、再会を喜び合う歓声が響いていた。71年に一度出て、現在再び同地で暮らす平松清さん(61、二世)は、4歳のときに同地を出た友人と、57年ぶりに再会した。
 「三輪車の取り合いで喧嘩したものです。相手もそれを覚えていて、とても懐かしかった」と顔をほころばせていた。