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仏ホテル企業が投資=サンパウロ市の元病院を宿泊施設に
ニッケイ新聞 2011年7月29日付け
最高級ホテルを専門とするフランスのアラードグループが26日、サンパウロ市ベラ・ヴィスタ区の元ウンベルト・プリモ病院(マタラゾ病院)の売買契約を所有者のPrevi(ブラジル銀行従業員の福祉基金)と交わしたと27日付フォーリャ紙が報じている。
パウリスタ大通り沿いにある2万7千平方メートルの一等地を1億1700レアルで買い取る契約を交わした同グループは、敷地内に二つのホテルを建設する予定。産婦人科のあった場所には、元の建物の特徴を残し、五つ星を超える「宮殿ホテル」が建設され、主棟敷地内にはレストランや商店街、芸術ギャラリーが建設される予定だ。
1904年開業のウンベルト・プリモ病院は、イタリアのコロニーから供給された資金で建てられ、最も貢献した人物には、産業帝国のマタラゾ工場を立ち上げたフランシスコ・マタラゾ伯爵が含まれている。しかし、1993年に債務超過で閉鎖され、1996年にPreviが所有者となっていた。
実際の建設、改造は、Conpresp(サンパウロ市歴史・文化・環境遺産保存審議会)とCondephaat(サンパウロ州歴史・文化・考古学・工芸遺産・観光保護審議会)の許可が下りなければ開始されないが、2014年までに建設の一部完了と見込んだサンパウロ市は、既に支援を表明している。
マルコス・シントラ経済開発局長は「パウリスタ大通り周辺の都市再生化の重要な要素となる」とし、協力協定を交わす意向を表明。建設総額や工事開始日は未定だが、関係機関の承認獲得はほぼ確実なようだ。