ホーム | 日系社会ニュース | 佐藤さん同航会呼びかけ=戦前最期ぶえのすあいれす丸

佐藤さん同航会呼びかけ=戦前最期ぶえのすあいれす丸

ニッケイ新聞 2011年7月29日付け

 戦前最後の移民船、1941年8月12日サントス着のぶえのすあいれす丸の同航会を、森広雅夫さん(80、岡山)が呼びかけている。これには、佐藤實郎さんも乗り組んでいたようだ。
 当時は日米海戦がいつ始まるか、という緊迫した中だったため、「米国の実効支配地域のパナマ運河を通過するのは危ないのでは」との話しもあった。そのため「運河の前で3日間停泊して検討し、結局は南米大陸の南端マゼラン海峡を回る異例の航路を辿ってブラジルまできた」と振り返る。
 「同航会をやるかどうかまだ分からないが、希望者がいればぜひ実現したい」と森広さん。8年前と6年前には、それぞれ同航会をしている。希望者は森広さん(電話=11・3735、4877、11・8219・0118)まで連絡を。
 佐藤さんの娘、狩野喜美子さん(埼玉在住)が史料館に提供した写真を手にとると、「ああ赤道祭の写真だ。懐かしい。一緒ですよ、僕等の時と。佐藤さんとはきっと甲板ですれ違っていたかもしれない」となんともいえない表情を浮かべ、目を細めてじっくりと見入っていた。