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聖南西が総合優勝で9連覇!=全伯相撲選手権大会=9チーム200人が出場

ニッケイ新聞 2011年7月29日付け

 ブラジル相撲連盟(篭原功会長)主催、『第50回全伯相撲選手権大会』が23日、『第16回南米選手権大会』『国際親善大会』が24日にボン・レチーロ区の日伯文化総合運動場で開催された。選手や応援ら約300人が詰めかけ、白熱した試合が繰り広げられた。全伯大会では聖南西相撲連盟(大瀧多喜夫会長)が総合優勝、大会9連覇を果たした。国際親善大会では日本の高校相撲選抜A(温井伸団長、石川県相撲連盟相談役)は、体格差を巧みな技でカバー、団体を制した。

 全伯大会は幼年、少年、準成年、成年の年齢別で競われ、成年は体重で4階級(軽量・中量・重量・無差別)に分かれて男女別で行われた。
 遠くはパラー、パラナ、南大河州など地方大会を勝ち抜いた9チーム、200人を超える選手が出場し全伯一を競った。
 応援する方も熱がこもり、選手やチームの名を連呼する声や指笛、手拍子の音が会場に響いた。
 重量級男子個人を制した樋口高大選手(29、二世、サンパウロ)は同級の昨年の覇者。「毎年強い選手が現れるが、意地で勝ちました」と話し、湧く客席にガッツポーズで応えた。
 パラナ州のジャナイナ・シルバ選手(23)は姉のジャケリーニ・シルバ選手(28)と無差別級女子個人決勝で対決し勝利、重量級と合わせ2冠に。「本当に嬉しい。これからも相撲を続けたい」と喜びを隠せない様子だった。
 団体女子はパラナが優勝したが、他のカテゴリでは聖南西が体格、力で圧倒。総合優勝し見事9連覇を果たした。
 聖南西で指導を続けてきた堤正昭さん(70、長崎)は選手に肩車されながら快挙を喜んだ。
 「聖南西の相撲人口は約160人で選手層が厚い。指導してきた選手が教え手に育ったことが連覇を支えています」と笑顔で語った。

南米大会はブラジルが勝利=国際親善は日本Aが制す

 24日の『南米大会』には亜国(8人)、パラグアイ(7人)から選手団が訪れ、南米一を争った。
 団体は男女共にブラジルが優勝した。個人でも軽量級男子除く全カテゴリでブラジル選手が制し、開催国の面目を守った。
 『国際親善大会』には5年ごとに石川県相撲連盟・北國新聞社が派遣する日本高校相撲選抜の力士10人が出場、4カ国8チームが出揃った。団体の決勝は日本AとブラジルAの対決に。
 予選では体格で押され2勝3敗と敗北を喫した日本。大澤恵介監督は、「四つでは力負けする。立会いでは横を取れ」と助言、選手からも「投げてくるぞ」「脇が甘いぞ」と声援が飛んた。
 予選の反省を生かしてスピードで相手の相撲を制し、「あびせ倒し」「突き出し」など多彩な技で4勝を上げ優勝した。
 個人ではブラジルのビクトル・パストレーロ選手が優勝、日本勢は金沢学院東高校2年の田邊大宣(まさたか)選手が決勝で惜敗し、準優勝を果たした。
 表彰式では、日本の高校生力士達が「AMIGOS BRASILEIROS MUITO OBRIGADO」と書いた横断幕を広げると、彼らの健闘を讃えて大きな拍手が起こった。
 パラー州のプリニオ・セザール選手(23)は、「日本の力士の突っ張りは参考になる。また戦いたいです」と試合を振返った。
 日本選抜のキャプテンを務めた金沢市立工業高校3年の小向健太選手は、「緊張したが、礼儀正しい日本の相撲を見せられたはず。いい経験になりました」と、清々しい表情で話していた。
(試合結果・詳報は8月3日付特集で掲載します)