ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

中国製に負ける国産品=ブラジルビキニにも影響が

ニッケイ新聞 2011年7月30日付け

 ドル安によって大量に流入した中国製品が、国産品が占めていた国内市場のシェアを奪う動きが広がり、その影響はブラジルが世界に誇るビキニ(水着)市場にまで達していると27日付伯紙サイトが報じている。
 CNI(全国工業連邦)が1529企業を対象に行った調査では、約半数の企業が中国に国内市場のシェアを奪われ、輸出関連企業に至っては67%もの企業が市場を奪われている。
 中国は労働力が安価で生産量が多く、インフラも出来上がっている。また、国内ではレアルがドルに対して高く評価されているのに対して、中国通貨の価値は政府によって統制されている。
 CNIのフラヴィオ・カステロ・ブランコ理事長は「これらの諸要因で中国製は国産品よりも安くなり、国際市場でもブラジル製品を抑えている」と述べている。
 ブラジル最大の問題は国内市場における競争力喪失で、ロッセ・グループのイヴォ・ロッセ社長は、「国内のビキニ市場でも、国産製が輸入製品に負けるという信じがたいことが起きている」と述べ、「ブラジル向けにビキニが輸入されているのを見たの初めてだ」と強調している。
 ドル安の影響を受けているのは製品販売だけでなく、製造部門でも現地生産に切り替える動きが加速されてきている。
 履物専門大手のヴルカブラス社は、大量の品を廉価で生産する中国企業と伍するため、インドに製造拠点を移す。同社インド工場は、2年間で9千人の新規雇用を生み出す予定でいる。
 ヴルカブラスのミルトン・カルドーゾ社長は、「ブラジルの労働者はインドや中国、ベトナム、マレーシアと比べてコストがかかる。従来の方針には反するが、競争力を維持するためには別の選択肢はなかった」と話している。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button