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ニッケイ法律相談=その5=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2011年7月30日付け

 質問=離婚して、現在毎月、前の夫から生活費を受け取っていますが、足りないので金額を上げてもらいたいのですが、それは可能でしょうか。
 回答=前のご主人に、今より高い金額を支払う経済力があるか、受け取っているあなたが本当に今の金額では足りないのかどうか、そのバランスを見極めて判断することになります。
 弁護士が介入してもいいのですが、介入したからといって必ずしも和解で解決できるとは言えません。お二人でよく協議して決めていただければ、それに越したことはありません。
 例えば、あなたの住む家の家賃が上がった等のどうしてもやむを得ない事情がある場合には、もし前のご主人に余裕があるなら、協議のうえ金額を上げてもらうことはできるでしょう。
 離婚後の生活費は、離婚時とそれ以降、いずれかが生活に困窮している場合、受け取る権利が生まれます。まずは協議されたうえで、和解が難しければ裁判所へ行かれれば良いでしょう。
 ちなみに生活費を受け取る側は、最高で、支払う側の収入の3分の1を受け取る権利が認められています。
     ◎
 質問=夫が60歳を過ぎていますが、浮気性で、現在他の女性と付き合っているようです。悔しいので離婚したくはないのですが、もし夫の全財産を手に入れられるなら、離婚しても構いません。警察にそのように訴えようと思うのですが、それは可能でしょうか。
 回答=まず、この問題は民事なので、訴える先は警察ではありません。家庭裁判所に申し立てれば離婚はできます。
 77年に「離婚法」という法律ができて、結婚するさいは、財産分与に関して契約書を交わすことになりました。
 あなたが結婚されたのが77年以前か以降か、どういう条件のもとで結婚されたのかわかりませんので、回答はここまでといたします。
 質問は日本語でもポ語でも可。質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP, CEP 01506-000)まで。