ニッケイ新聞 2011年8月3日付け
ブラジル相撲連盟(篭原功会長、下本八郎名誉総裁)が主催する国際親善相撲大会、第50回全伯相撲選手権大会、第16回南米選手権大会などが23、24日にサンパウロ市ボン・レチーロ区のサンパウロ市日伯文化総合運動場内の常設土俵で開催され、南米各国や地域を代表する選手の闘魂がぶつかり合う激闘が繰り広げられた。なかでも24日の国際親善相撲大会では隣国アルゼンチン、パラグアイから選手団が訪れたほか、日本から高校相撲選抜選手団(温井伸団長、石川県相撲連盟相談役)10人を迎え、国の威信を懸けた激戦となり、体格差を巧みな技でカバーした日本選抜Aチームが団体優勝を果たした。
国際親善大会の団体戦には、ブラジルから前日の全伯大会成年の部で上位入賞した選手3チーム、準成年以下で構成した選手1チームが出場、アルゼンチン、日本から各2チーム、パラグアイ1チームが出揃った。
先鋒から大将の5人が、4チームずつに分かれ総当たり戦が行われた後、上位2チームが決勝トーナメントに出場した。
予選では全伯大会無差別級覇者のビクトル・パストレイロ選手が大将を務めるブラジルAチームが、日本選抜Aを体格差で圧倒するシーンが見られた。日本選抜は腰を落として立会いに臨んだが、土俵際まで押し出され2勝3敗と敗北を喫した。
両チームとも総当たり戦を勝ち進み、決勝で再び対決。大澤恵介監督は、「四つでは力負けする。立会いでは横を取れ」と助言、選手からも「投げてくるぞ」「脇が甘いぞ」と声援が飛んた。選手は予選の反省を生かしてスピードと技で制し、相手に相撲をさせなかった。
そんな中、大将の村田亮選手(石川、17)は正面から勝負を挑み、気迫のこもる張り手を見せ、力で土俵を割らせた。
あびせ倒し、突き出しなど多彩な技で4勝を上げて日本Aが優勝した。好試合に惜しみない拍手が送られた。
金沢市立工業高校3年の小向健太選手は、「緊張したが、礼儀正しい日本の相撲を見せられたはず。いい経験になりました」と、清々しい表情で話した。
個人の部ではパストレイロ選手が優勝に輝いた。決勝で惜しくも破れた田邊大宣選手(まさたか、17、岐阜)は、「まともに組んだら力負けすると思った。相手は倒せたが、先に足が出てしまった」と悔しさをにじませた。
日本勢との取組みを振返り、「4つに組んだら勝つ自信があったが、張り手で間合いを詰められなかった」と話すのはパラー州のプリニオ・セザール選手(23)。「あの突っ張りはブラジルではなかなか見られないので参考になった。また相撲を取りたい」と刺激を受けた様子だった。
日本選手団の監督を務めた大澤恵介氏は、「5年前も監督として来伯したが、相変わらずブラジル選手はパワフル。体格はもちろんのこと、中・軽量では技もスピードもあり驚いた。当時に比べ個々のレベルは上がっているのでは」と大会を振返った。