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伯中間で協力協定=共同研究所を設置へ

ニッケイ新聞 2011年8月4日付け

 原子や分子の配列と極微小サイズ(ナノスケール)で自由に制御し、特別な素材を開発するナノテクノロジーの共同研究センターを設置する契約をブラジルと中国が結ぶと3日付フォーリャ紙が報じている。
 ブラジルはバイオエネルギーやバイオ燃料(エタノール)、農業科学といった重点分野で、最先端のナノテクノロジー技術を持つ中国とパートナーシップを結ぶことになる。
 サンパウロ市カンピーナス市で2日に行われた科学技術省(MCT)の会合では、最初の2年間でブラジル側から470万レアルの投資額の提案が出されたが、中国政府はそれ以上の投資額を要求している。契約内容では、双方が同額を投資することになっている。アロイジオ・メルカダンテ科学大臣が中国を訪問する22日に最終的な投資額が定められる。
 共同研究センターは現在、契約上のもので実在しておらず、投資額はインフラや両国間での研究者の交流計画(年間約30人)に使われる。
 「投資額は少ないかもしれないが、中国との協力協定の最初の一歩だ」とMCTのナノテクノロジー部門担当者のアバルベルト・ファッジオ氏は述べている。
 また、中国科学院のチェンリー・バイ院長も今回のプロジェクトは重要だと話しており、「このプロジェクトが両国のためになると信じている」と述べている。
 中国政府は科学分野に対して、GDP(国内総生産)の1・78%にあたる大きな投資を行っており、対してブラジルは同分野へ2010年度GDPの1・3%となっている。