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難病の新婦と愛誓う=25年の歳月を経て結婚=娘も2人の関係を認める

ニッケイ新聞 2011年8月5日付け

 サンパウロ州リベイロン・プレット市のクリニカ病院病室で7月30日、ルイス・アントニオ・デ・S・ノゲイラさん(43)は「集中治療室(ICU)から出たら結婚しよう」との約束を守り、肝炎で全身不随のロジクレル・ネヴェス・ノゲイラさん(61)と結婚式を挙げたと8月3日付エスタード紙が報じている。
 2006年に視神経脊髄炎を患い、健康状態が悪化し始めたロジクレルさんは、3年前から身体の自由も失い始め、今では手や首をわずかに動かせるのみで、常に呼吸器を必要としている。
 日に日に病状が悪化して集中治療室で眠るロジクレルさんを見て、挙式を決心したアントニオさんは、「一般病室に移ったら結婚式を挙げよう」とついに約束をした。
 集中治療室を出た30日、親族や医者、看護婦が見守る中で式は行われ、新婦ははなやかなウェディングドレスを身にまといつつも車椅子で入場した。しかし、途中で呼吸器を使う必要が生じたため、付き合い始めてから25年後にようやく実現した結婚式の誓いの言葉は彼女の病室でひっそりと交わされた。
 「私の意思で誇りを持って約束を果した」と胸をはるアントニオさんは、「また自宅で一緒に過ごす日が来ると信じている」と話した。
 ロジクレルさんは、ウイルス性肝炎患者を支援する非政府組織〃コラソン・ヴァレンテ(勇敢な心)〃の会長を務めており、彼女とアントニオさんとのラブストーリーは病院内に感動を与えた。
 ロジクレルさんの娘のアドリアナ・カペロッシさんは、「36歳だった母親が、私より2歳年上で18歳のアントニオさんを連れてきた時にはビックリした。でも、時間と共に彼が母を本当に愛していることがわかった」とし、「偏見を乗越え、互いに助け合い、どんな苦難にも手を取り合って立ち向かう二人の愛は本物だ」と見直している。