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2人の息子の前で射殺=増加する強盗殺人事件

ニッケイ新聞 2011年8月5日付け

 大サンパウロ圏では8、9日と連続して5件の強盗殺人事件が発生しており、なかでもヴィラ・プログレッソ区で発生した強盗殺人事件では、犯人によって父親が息子2人の目の前で殺害される惨劇が起きたと4日付エスタード紙が報じている。
 サンパウロ市ブラス区で2店の洋装店を営む韓国人のアントニオさんは9日、別居中の妻の家を子供に会うため訪問した。午後9時頃、息子らとビデオゲームを楽しんでいたところ、5人の覆面強盗犯が侵入し、金庫や車のカギを渡すように脅した。
 「金庫なんて持っていない」とのアントニオさんの返事に腹を立てた犯人の1人は、息子に拳銃を向けた。とっさに息子をかばおうとしたアントニオさんが代わりに撃ち殺された。
 州都での同様の事件は増えており、「強盗殺人事件の内、約30%は自動車やオートバイを狙ったものだ」と警察は注意を呼びかけている。警察によると、昨年1月から6月にかけて41件の強盗殺人事件が記録されたが、今年同期には46件も記録されたという。サンパウロ州全体では今年に入ってから、既に167件にも達している。
 増加する強盗殺人事件を重く見た市警は3日、専門捜査部署の設置を発表していたがが、同日夜、保安局長官のアントニオ・フェレイラ・ピント氏によって設置案は拒否された。「同部署の設置に関する調査は既に行われていたが、実際に配置される可能性は低い」とグローボTVのインタビューにアントニオ長官は答えている。
 現在、強盗殺人事件はHDPP(市警殺人・事件捜査・被害者保護課)が捜査を行っている。