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ニッケイ新聞 2011年8月5日付け

 平和市長会議に近く加盟するサンパウロ州ボツカツ市で原爆展が1日に始まった。中国新聞が報じた。開会式典では松井一実広島市長との会議が行われ、ジョアン・クリイ・ネット市長は、「2020年までの核兵器廃絶を目指したい」と述べ、加盟申請書にサインしたという。同会議には現在151カ国の4892都市、ブラジルでは61都市が加盟している。
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 林隆春さんは、「大震災から5月までは若者ですら半分が失業していた状態だった」という。「7月から若い人の仕事は増え、9月以降失業はほぼなくなる」と見ている。だが、問題はまったく雇用がない50代以上だ。そしてこの層が年々増えてきている。「かつては5〜7%が日本で自宅を購入していたが、今ではこのビジネス自体が完全に崩壊した。安定した生活を送るものが極端に減り、雇用の底が浅くなった(質が悪くなった)からだ」という。最盛期の08年には32万人をえた在日ブラジル人だが、現在は24万人。少なくなったとはいえ、問題が山積している状況を思えば〃重い数字〃といえそうだ。
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 80年代に商議所の会頭を務めた別役道昌さんが亡くなった。同郷で旧制中学の同窓でもある田村吾郎さん(経済報知元代表)は、「パーティでも自前の灰皿を持って歩くほどの愛煙家。『死ぬまで煙草は止めますまい』と互いに約束したもの」と懐かしみ、「あれほどコロニアのことを考えてくれた商議所会頭はいなかったんじゃないかな」とポツリ。