ニッケイ新聞 2011年8月5日付け
邦字紙だけみると、いまも一世の存在感が強いような気がするが、現実の日系社会はすでに三、四世全盛期なのだと痛感させられる事が最近二つ続けてあった。全伯和太鼓大会でクリチーバの若葉太鼓が優勝したことと、YOSAKOIソーラン全伯大会でロンドリーナのグルッポ・サンセイが6回目の栄冠に輝いたことだ▼戦前の移民はモジアナ線などでのコロノ生活から始まり、ノロエステ線、パウリスタ線、奥ソロで独立農になった。だが収奪農業で土地が荒れ、未開拓地がなくなったことから、成長した子供移民や二世を中心に戦争前後から北パラナへ大移動が始まった▼その世代を中心に発展した北パラナで生れた三世世代は、大学進学のためにクリチーバに居を移し、その子供たる四世が現在同地では台頭している。北パラナに残った三世が中心になってグルッポ・サンセイを創立し、その世代の子供たる四世が現在の同グループの主軸をなしている▼つまり、親が三世、子が四世という世代がコロニア芸能の華やかな部分を支えている。両大会とも7月末に開催されるのは、演し物の練習の仕上げを学校の冬休みに行うからだ。日系人が中心になって日本文化を愛好するブラジル人と共に、毎日のように会館に集まって〃青春の汗〃をかいた成果が、大会で問われるから当日はすごく盛り上がる▼現在10代の彼らが移民150周年では60代を迎えることを思えば、おそらく現在のYOSAKOIや和太鼓世代に協力し、投資することは無駄ではない。若者が日本文化に感動するこのような機会をつくり続ける大会関係者に心からの敬意を表したい。(深)