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ボベスパ指数が暴落=世界2位の大幅安に=景気後退の見方強まる

ニッケイ新聞 2011年8月6日付け

 サンパウロ証券取引所(Bovespa)のボベスパ指数が1〜4日と続落し、金融危機の2008年11月以降最大となる5・72%の値下がりを見せた4日は、5万2811ポイントで取引を終えたと5日付エスタード紙などが報じている。
 スペインとイタリア経済に広がったヨーロッパの深刻な経済危機を背景に、今回の米国の債務上限引き上げが成立したが、財政再建の内容は不十分で、米国債が格下げされる可能性が残っているため、新たな景気の後退局面に入るとの見方が国際的に強まっている。
 これにより国内のコモディティーの値下げが発生し、原油価格などは、ここ7日間で11%もの下落を見せている。ニューヨークでは、マーカンタイル商品取引所(NYMEX)で取引されている原油価格が過去5カ月で最大の値下がりとなり、1バレル86・83ドルとなった。
 BOA(バンク・オブ・アメリカ)がブラジルの国内総生産(GDP)予想を下方修正したことが嫌気されたことによって、ボベスパ指数は一時、6・05%の値下がりをみせ、最終的にはアルゼンチンのメルバル指数に次ぐ世界2位の暴落を見せた。W杯やリオ五輪にむけて世界から注目を浴びている当地経済だが、市場からの信用がさほどではないことが浮きぼりにされ、冷や水をかけられた格好だ。
 国内の株式市場で大幅安を記録したのは、金属と原油相場の下落を受けた実業家エイケ・バチスタ氏の持株会社グルーポEBX傘下の企業で、OGXペトロレオ(石油及び天然ガス採掘会社)は8・33%、MMXミネラカオ(鉄鉱石採掘会社)とLLXロジスチカ(港湾事業会社)はそれぞれ16・07%と13・25%と暴落した。
 また、ブラジル石油公社(ペトロブラス)や国内2位の航空会社、GOL航空などの株も下落。
 一方、世界同時株安から一夜開けた5日、ボベスパ指数は高値で交渉が始まったが、徐々に下落、午後2時32分頃には0・41%高、5万3026ポイントとなっている。ニューヨークのダウ指数は1・18%高。