ニッケイ新聞 2011年8月6日付け
10代、20代の出場者が多かった太鼓選手権大会だがマスターの演奏も負けずに盛り上りを見せた。その1つ「みずほ和太鼓」はサンベルナルド・ド・カンポの瑞穂村に住む6人のチームだ。
既に他のチームで太鼓を叩いていたリーダーの中原アルツールさん(68、二世)が03年に、「そろそろチームを立ち上げてみてはどうか」と提案して結成。当時チームに誘われた妹のルイザさん(58)は、「太鼓は男が叩くもの」との印象を持っていた。「でも叩いてみたらストレス発散に最高。8年間続いています」と話す。
そのルイザさんが姉ローザさん(62)を誘ったのは3カ月前、今大会が舞台デビューだという。「太鼓には家族を巻き込む力がある。家でも自然に太鼓の話になってしまいますね」と嬉しそうな表情だ。
同地で日本語学校の教師を務める上原ヒロミさん(52、二世)はジュニアのリーダーである息子のブルーノさん(三世)に太鼓を勧められ、2年前から始めた。「一生懸命に太鼓を打つ姿を見ていたら」と動機を語る。「ジュニアとは練習時間が違うから太鼓の話は私達も家で。7月は毎日に増えましたね」。
大橋エレナ明子さん(63、二世)とソーザセシリア米子さん(58)の姉妹も同じく2年前から開始。「村のお祭りでもずっと気になっていた。エネルギーをぶつけて音を出す感覚は忘れられないです」と笑顔で話した。
「リハーサルでも緊張したのに本番ではどうなるやら…」とルイザさんは話していたが、威勢のいい掛け声や難しいリズムをこなし、会場からは暖かい拍手が送られていた。