ニッケイ新聞 2011年8月11日付け
質問=アパートを購入し、支払いを終えてから1年経過しています。不動産の権利書を未だ入手できていなかったので売主に申請したところ、「物件金額の20パーセントを追加で支払ってくれ」と言われました。どうすれば良いでしょうか。
回答=不動産の権利書(escritura)を入手した後は、「不動産登記所」(cartorio de registro de imoveis)で買い手が登記をする必要があり、その手続きをもって正式に不動産の名義が変更されることになります。
この場合は弁護士に依頼し、支払いが終わったという証拠になる何らかの書類があれば、それを持って裁判所に申請すれば良いでしょう。売主の同意なしで、不動産の名義をあなたに変更することが可能です。
不動産の登記は、買い手が行う必要があります。権利書を作成せず、複数の買い手に売りつける売主もいますので、不動産購入後は早急に権利書を請求するのが望ましいでしょう。
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質問=不動産を購入し、そこに住み始めて1年以上経ちますが、裁判所から、突然差し押さえ命令が来ました。どうすれば良いでしょうか。
回答=その物件を購入するさい、売主について十分調べたでしょうか。まずは不動産登記所に行き、誰の名義になっているか、そして裁判所で、売主が被告名義で裁判にかけられていないか、さらにはcartorio de protestoで、売主の名義で問題が起こっていないか、すなわち借金を抱えていないか調べるべきでした。Cartorio de protestoには、借金がある人が登録されています。
名義を変更するにはお金がかかります。この3つについて、今からでも遅くありませんので、調べた方が良いでしょう。
もし売主が裁判にかけられていたら、不動産をあなたの名義に変更することはできません。
また、もし売主が借金を抱えていたら、金額も調べたほうが良いでしょう。不動産の金額のほうが高ければ、借金金額分は裁判所に、残りの金額は売主に支払うことで買い取ることができます。
不動産を購入するさいは、売主について良く調べることが重要です。とは言え、その過程では法律用語が頻出しますので、弁護士に相談しなければ調べるのは難しいと思います。
法律は「知らなかった」では済まされません。知らなければ、知っている人に尋ねる必要があります。弁護士の手数料を惜しむ人も多いですが、この件の場合、依頼料は物件の金額の3パーセント程度が相場です。
その不動産を購入してもいいか弁護士が判断した上で購入すれば、後々今のような状況に陥らなくて済みます。