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エレベーターが80m落下=建設作業員9人が即死=機械の故障に原因か?

ニッケイ新聞 2011年8月12日付け

 バイア州サルバドール市の建設現場で9日、作動中の工事用仮設エレベーターが突然落下し、作業員9人が亡くなる事故が起きたと10日付エスタード紙などが報じている。
 同市一等地のカミニョ・ダス・アルヴォレス区で建設中のビジネスビル内で事故は起きた。午前7時30分頃、9人の作業員が上の階に行くために乗り込んだが、指定した階で止まらず上昇を続け、最上階の天井に激突した。そのまま65メートルの高さから地下の階まで80メートル落下、非常ブレーキ装置は作動しなかった。
 「何もかもあっという間で、地下に駆けつけたときには、みな押し潰された状態だった」と大工助手のエジヴァン・オリヴェイラさん(34)は話している。
 警察による現場検証が4時間にわたって行われたが、報告書の提出は30日後。事故原因は明らかになっていないが、機械や電気系統に故障があったのではないかとの見方が強まっている。
 エレベーターは容量1200キロまたは、定員12人までの工事用のもので、整備や点検不足が事故原因と報告されれば、警察は工事責任者を過失致死の疑いで取り締まるという。
 バイア州土木事業労働者組合(Sintracon‐BA)のジョゼ・リベイロ組長は、今回の事故は機器の点検不足が原因と話しており、「企業が労働者の安全性を気にしていない」と指摘している。
 この仮設エレベーターは1998年に製造されたもので、以前の工事現場でも問題がたびたび起きていた。労働省の職員によると、「このエレベーターは非常に古くて、もはや整備したところで安全基準内には納まらないものだった」と述べている。
 一方、建設会社のマヌエル・セグラ・マルチネズ社長は、「私自身、毎日利用していた」と述べており、定期点検はしっかり行われていたと反論している。労働者の1人は、この話が本当だと証言しており、「先週点検が行われ、ロープの1本が取り替えられた」と話している。