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52年前のメッセージ見つかる=下院の天井裏に鉛筆で=マイア下院議長=我々への伝言」=作業員の夢裏切る現実も

ニッケイ新聞 2011年8月13日付け

 1959年に建築された下院の屋根裏から、新都建設に加わった作業員達が書き残した、法と誠実を求めるメッセージが見つかり、マルコ・マイア下院議長が「我々への伝言」と語ったと12日付伯字紙が報じた。

 後の日にここ(下院)に来る人々が子供達に思いを寄せ、法を遵守してくれますように—。これは、汚職摘発などに揺れる国会の屋根裏に残されていた、52年前に新都建設に携わった作業員のメッセージの一つだ。
 下院本会議場への通路で雨漏りが見つかったのは数年前。原因はどこにあるのかと調査する中、思いがけない場所から見つかったメッセージは、新しく建設される新都市の中でも、法を司る国会を意識したものだ。
 1959年4月22日の日付と名前も記された鉛筆での言葉が見つかったのは、上向きに置いた皿の様にみえる屋根を支える梁などに囲まれた「失われた棺」と呼ばれる空間だ。
 ジョゼ・S・ゲーラの署名がある文は「法を守る事は大変だが法は法」と書かれ、ネルソン・ニルソンの署名の脇には、「愛・すべての人を支配するもの」とある。
 天井裏でメッセージ発見と聞いた労働者党のマルコ・マイア下院議長は実際に現場に上り、「すべてのブラジル人が名誉と誠実を愛すなら、もっとすばらしいブラジルを手にする事ができるだろう」といった言葉にも出会った。
 何年も故郷を離れ、日曜休日さえない、1日11時間の労働の合間に残された言葉から、家族を偲ぶ気持ちや後の日に国政を担う人々への思いを汲んだ現議長は、「これらのメッセージは我々のために残された言葉」である事を胸に刻んだ。
 立法府である国会では農務省絡みの汚職発覚で大臣が釈明を行い、政府も国家配給公社(Conab)人事の入れ替えなどを行った。
 また、観光省絡みの事件では、逮捕された容疑者達の証言から公金受領が疑われているアマパー州選出で民主運動党(PMDB)のファッチマ・ペラエス下議と全く同じ内容、金額の法案が、パラナ州選出のPMDB下議からも提出され、同じ日に同じ人物によって署名されていたと12日付フォーリャ紙が報道。
 11日付G1サイトでも、持続可能な基幹構造開発研究所(Ibrasi)以外の機関でも不正が行われていたと報じるなど、同省絡みの汚職で横領された金額は更に膨らむ事は間違いない。
 新都建設に携わった作業員のメッセージには綴りの間違いもあったとの言葉からは、学歴も決して高くない事が窺われるが、多くもない給料で、新しいブラジルを夢見つつ日夜働いた先人達の思いを裏切るような事件が繰返される昨今。関係者から逮捕者が出た事で、来年の選挙に影響が出る事を案ずる政治家も居るとの報道も流れている。