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淑徳大=「学祖の志に触れたい」=研修生8人が抱負語る

ニッケイ新聞 2011年8月13日付け

 ブラジルの福祉事情などを学ぶため、日本の淑徳大学(千葉県千葉市、長谷川匡俊学長)が毎年実施する研修制度で、26回目となる今年、8人の学生が来伯した。
 淑徳大学は1965年に開学、初代学長は60歳で来伯し、54年にブラジルで浄土宗日伯別院を開いた長谷川良信氏。サンパウロ市イタケーラ区の「こどものその」の前身、「子供の園」を創立した人物としても知られる。
 研修生一行は8日に到着し、約1ヵ月の滞在予定。サンパウロ州内の家庭でホームステイを行った後、パラナ州クリチーバ市やマリンガー市などで、環境問題や福祉など各自のテーマで研修に臨む。
 研修には現地の大学生との交流、未婚の母保護施設など福祉施設の訪問などが含まれ、ポルトガル語のみのプログラムもある。
 総合福祉学部の細越貴裕、黒田百合奈、高砂未帆、山河貴子、安藤紘子、国際コミュニケーション学部の小鹿洋平、河田尚美、岩本愛弓さんら研修生はじめ、サンパウロでの受け入れ先の南米浄土宗別院日伯寺主任開教使の稲場ペドロさん、引率の小笠原玲子さん(同大学事務局)が10日来社し、それぞれ抱負を述べた。
 教員を目指しているという2年生の細越さんは、「ブラジルの教育制度を学びたい。長谷川良信さんのパワフルな行動の背景を知れれば」と研修参加の動機を話す。
 社会福祉や障害児教育を学ぶ2年生の山河さんは、兄弟が自閉症や知的障害を持つ。スウェーデンで福祉研修を経験した。「施設の環境が大事。日本、ブラジル、スウェーデンでの取り組みを比較したい」と意気込んだ。
 小笠原さんは、「社会活動に奉仕した学祖のブラジルでの足跡を辿り、その功績や精神を学んでほしい」と期待した。
 一行はサンパウロでの事前研修、2週間の実地研修の後、リオ、アマゾン、バイーア、ブラジリアなど国内都市を見学旅行し、9月6日に帰国の途につく。