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南米最長のバスの旅=大西洋側から太平洋側へ=アンデス乗り越え96時間

ニッケイ新聞 2011年8月16日付け

 南米最長のバス路線は5917キロメートルあり、サンパウロ市のチエテ・バスターミナルとペルーのリマ市サンイシドロ区を繋いでいると14日付エスタード紙が紹介している。
 大西洋側から太平洋側まで南米を横断するバスの旅は、ブラジル国内五つの州とペルー国内七つの県を4日間かけて走るもので、ペルーのエクスプレッソ・オルメーニョ社が2010年11月から提供している。
 サンパウロ市チエテから15日ごとに出る便は、44人乗りの2階建てバスで96時間かけてアマゾンやアンデス山脈を越え、ペルーを目指す。チケットは大人1人片道468レアル。
 バスは午前8時にチエテ・バスターミナルを出発するとサンパウロ州を横断、6時間後、同州マラカイ市で最初の昼食停車が行われる。各停車は40分程だが、次の停車は翌日朝となるため、ここでは、3レアルで7分間のシャワーを利用する人も多い。
 2日目午後2時には、2度目の昼食停車がマット・グロッソ州ポンテス・イ・ラセルダ市で行われる。午後にはロンドニア州に入り、北西へと進んでいく。
 深夜12時頃にはマデイラ川に到着、フェリーで川を渡るため、乗客は一度バスから下りなければいけない。渡りきるとアクレ州に入り、既に3日目。
 同州アシス市とペルーを繋ぐインテルオセアニカ道路を南へと進むとマドゥレ・デ・ジオス川に到着。ここで再びフェリーに乗るためにバスから下りることになる。ここには両国共同で作られた500メートル程の橋が既に存在するが、ケーブルに欠陥が見つかり通行止めになっている。
 旅の中で最も衝撃的な部分はフェリーで川を渡る部分ではなく、これより先のペルー側のアマゾンとアンデス山脈を通過する部分。危険かつ美しい場所を2夜続きで通過すると旅はもう4日目。
 クスコ市に入るとさらに危険度は増し、「最も困難なのは標高4725メートルを平均時速30キロで走ることだ」と運転手は話している。
 夜には山脈地帯を通過、海岸への下り道が始まる。下りきると旅も既に90時間以上、ナスカ市からインカ市に続く直線では運転手もついアクセルを踏んでしまう。目的地のリマ市のバスターミナルには現地時間の午前6時頃到着する。