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リオ州で女性判事殺害=自宅前で襲撃され即死=厳罰下した汚職警官の報復か

ニッケイ新聞 2011年8月17日付け

 リオデジャネイロ州ニテロイ市で11日深夜、女性判事が自宅前で襲撃を受け、21発もの銃弾を浴びて殺害されたと13〜16日付エスタード紙などが報じている。
 被害に遭ったのは、サンゴンサロ市第4刑事部で判事を務めるパトゥリシア・ロウリヴァル・アシオリ氏(47)で、警察官に対する判決が厳しいことで知られていた。
 目撃者の証言によると、1台の車がアシオリ氏の車の行く手を封じており、2台のバイクに乗っていた4人の容疑者が犯行を行ったという。
 同判事は2011年1月、殺人の罪に問われていた軍警第7大隊拘置所(BPM)警察官6人の逮捕を定めており、また、殺害される当日には別の軍警グループに対して未決拘留を命じていた。
 連邦最高裁判所(STF)のセザル・ペルゾ長官の要請を受けた法務大臣は、連邦警察に捜査を命じたが、リオ州保安局はこれを拒否している。理由は明らかにされていない。
 無料の通報電話窓口(ディスケ・デヌンシア)では、15日午前10時頃までにアシオリ氏の殺害に関する電話を71通も受けている。
 同判事はサンゴンサロ市で唯一、殺人や汚職に関わった警官やミリシア、賭博などに関する事件を手がけており、判決では最も重い刑を適用していた。「彼女は恐怖に屈しない性格で、死の脅迫を受けた後でもこれまで同様、厳しい判決を下していた」と彼女の友達は話している。
 16日フォーリャ紙によれば、アシオリ氏の代わりに3人の判事が入ることが決まっており、必要かつ十分な警備体制もとられる。アシオリ氏は頻繁に脅迫を受けていたが、2007年から護衛が付いていなかった。
 また、グローボ局のインタビューには「私は恐怖なんて感じない。本当に殺そうとしているなら脅迫なんてしないもの」と話しており、「殺し屋は大嫌いだけど、それが警察官なら100万倍憎い」と断言するほど、正義感の強い人だった。
 アシオリ氏が務めていた裁判所では15日、彼女が同日判決を下すはずだった1993年に5人を殺害した容疑の退任市警や9月に裁判を行うはずだった軍警3人などに関係する人物が殺害を指示した可能性が強いと考える親族や友達らが集まり、厳しい調査を行うようにとの抗議を行った。