ニッケイ新聞 2011年8月23日付け
サッカーのU‐20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)コロンビア大会の決勝戦で20日、ブラジルがポルトガルを延長戦後半の末に3対2で下し、4大会ぶり5度目の優勝を果たしたと21日付エスタード紙などが報じている。
ブラジルは試合開始直後5分、オスカル選手の右サイドからのフリーキックで先制点を挙げた。しかし、その4分後には、ゴールエリア内でポルトガルのアレックス選手がフリーでボールを受け、そのままゴール。前半は1対1の同点で終わった。
後半はブラジルがゲームをコントロールしていたものの、ポルトガルのゾーン守備を破ることができず、後半14分には反撃され、逆転を許してしまった。後を追うブラジルは中盤、センターからのチャンスを生むためにフェリッペ・コウチニョ選手を下げ、ドゥドゥ選手を投入した。
後半33分には、そのドゥドゥ選手が放ったシュートのこぼれ球をオスカル選手がゴール内に押し込んで同点としたが、あと1点が入れられないまま、延長戦へ。
延長前半は両チームともチャンスを作ることが出来ず無得点、ハーフタイムもないまま延長後半戦へ。100分以上に及ぶ試合の疲労で、ポルトガルの選手の中からは足がつり始める選手や途中で棄権する選手も。しかし、ブラジルは、延長後半5分、オスカル選手が上げたセンタリングがそのままゴール内へ吸い込まれ、この日3ゴール目を決めて勝ち越した。
今回のU‐20W杯のタイトル獲得は、1983年、1985年、1993年、2003年に次ぐ5回目。最優秀選手には同大会最多の5得点を上げたエンリッケ選手が選ばれた。
また、同日付フォーリャ紙サイトでは、決勝でハットトリック(1試合で3得点)を達成したオスカル選手に世界中が注目と報じており、世界的な新聞のオンライン版で、サンタカタリーナ州インテルナシオナルに所属する同選手を「ブラジルのヒーロー」として報じているという。
アルゼンチンの毎日新聞「Ole」は、「オスカー金賞」との見出しで、彼がチームを引っ張り、ブラジルにタイトルをもたらしたと報じている。また、「Clarin」では、彼の活躍でブラジルとアルゼンチン間のU‐20世界タイトル獲得数の差が縮まったとまで。アルゼンチンはこれまで同タイトルを6回獲得している。
一方、3位決定戦は、メキシコがフランスに3対1で快勝した。