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今年の経済成長率は4%?=マンテガ財相が下方修正=前回とは別の危機対策採用=利下げ言及で市場は好反応

ニッケイ新聞 2011年8月25日付け

 上院での公聴会に出席したマンテガ財相が23日、ブラジルの今年の経済成長率予想を、従来の4・5%から4%に下方修正したと24日付エスタード紙が報じた。欧米を震源とする経済危機対策として利下げにも言及した事に市場は好感を示し、ボヴェスパ指数は4営業日ぶりの反発を見せた。

 「経済が落ち込む様な事にはしない」—。マンテガ財相は上院の公聴会でこう約束したが、国内総生産(GDP)の成長率は従来の4・5%から4%程度に下方修正。それでも、必要経費を担うには十分な税収確保との認識を明らかにした。
 2008〜09年の国際的な金融危機の時も経済スタッフの中核にいた同財相は、ブラジルは今回の経済危機も乗り切るだけの備えがあると繰り返したが、そのための対策は異なると発言。
 前回は、免税処置の導入と連邦政府予算をつぎ込んだ消費加熱策を中心として対処したが、今回の危機には、利下げと中央銀行に蓄積された預金準備金の利用という方策を採るという。
 08年からの金融危機で世界各国が低金利政策を導入している中、ブラジルの経済基本金利(Selic)の高さは群を抜いており、外国人投資家が利ざや目当てに資金をつぎ込む傾向に拍車もかかり、ドル安レアル高の原因となっていた。
 年末からのインフレ圧力の高まりを受け、連続して引上げられた基本金利は年12・5%に達しているが、インフレはコントロール出来ており、利下げ環境を整える事を優先課題の一つとするとの財相発言は23日の株式市場にも影響。ボヴェスパ指数は4営業日ぶりに反発し、前日比2・6%高の5万3786・63ポイントで閉じた。
 インフレ無き成長はジウマ政権の公約だが、公的負債に伴う利子の支払い額は約2千億レアルというブラジルにとり、利下げは政府支出抑制のための必要条件でもある。
 先進国は景気回復のために苦労しており、今回表面化した米国の負債や欧州銀行の資金枯渇への対策も小手先のもの。その場限りの対策は中長期の世界経済を悪化させ、再度の景気後退もと懸念する声もあるだけに、高成長を遂げてきた中国やブラジルの経済の先行きには世界が注目している。
 エスタード紙によれば、中銀のトンビニ総裁は、今回の経済危機表面化以降、レアルを売ってドルを買ったり、ドル建て融資を受けたりする例が増えてきた事に好感を表明。レアル高による輸出の伸び悩みなどによる経常収支の赤字増加は依然として続き、7月末の赤字額は中銀の集計開始以来最高の289億4500万ドルに達したが、国外からの直接投資は今年既に384億4800万ドル、12カ月累計は721億5500万ドルで、経常収支赤字を埋めて余りありという状態も、経済スタッフに安心感を与えているようだ。

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