ニッケイ新聞 2011年8月25日付け
5月以降の2カ月余りで閣僚4人の辞任劇が続いた後、ジウマ大統領が当面は閣僚の更迭はしないと約束したと24日付フォーリャ紙が報じた。
アントニオ・パロッシ元官房長官は個人資産急増、ネルソン・ジョビン元国防相は同僚批判が原因だから、連立与党の不満の元とはいえないが、運輸、農務両省を巡る汚職では共和党(PR)と民主運動党(PMDB)の閣僚が辞任。人事や事業経費支払いの遅れと共に、議会審議放棄などの抗議行動を誘発した。
その後のFurnasの人事異動でも先の2党所属理事が外され、労働者党(PT)理事だけが残るなど、与党内の不満は更に高まっていた。
そんな中行われた更迭見送り発言は、やはり汚職表面化の観光省と自治省の2閣僚(PMDBとPP:進歩党)温存による与党内の不満収束が目的。実際には、パウロ・ベルナルド通信相とその妻グレイシー・ホフマン官房長官の民間企業の小型機使用が取り沙汰され始めた事や、省内の不正は前任者達の時代からのものとの観光相発言で、PTの元閣僚らへの責任追及をかわす目的もあると見られている。