ニッケイ新聞 2011年8月25日付け
ブラジルで私たちに出来ることをしよう—。サンパウロ州立カンピーナス大学(UNICAMP)に通う日本人留学生が中心となり、ボランティア団体『サンパウロFor Japan』(末長恵里沙、小林志乃代表)を立ち上げ、東日本大震災の被災地に向けて復興支援活動を行なっている。
東京外国語大学の学生が設立した「For Japan」のサンパウロ支部。世界中で学生を中心に約1600人が参加、現在海外20カ国以上に支部がある。
UNICAMPでは福田アイリスみきさんが仲間に呼びかけ、今年3月に10人で活動開始した。福田さんを始め6人はすでに帰国し、現在は4人で活動を続ける。
活動の柱の1つは募金や千羽鶴のワークショップを行なう講演会『Preces ao Vento(風に祈りを)』。 「月に1回ずつ開いて被災地の様子を伝えて募金を集め、5円玉とアサイーで作った手作りのアクセサリーを販売しました」と末長代表は話す。
1個7レアルのアクセサリーは2百個近く売れ、3千羽の千羽鶴が生徒たちの手によって作られた。
「被災した日本在住のブラジル人に情報を提供するため、震災緊急マニュアルや各新聞をポ語に翻訳もしています」と小林代表。
同団体HPでは、各国の言語に翻訳されたマニュアルなどが掲載されている。
12月の帰国を控え、二人が「最後の活動」と懸命に取り組んでいるのが、メンバーの柴田大介さん企画の慈善コンサート。すでに同市では4月に開催し、11月13日にサンパウロ市文協で第2回目を行なう。
文協、国際交流基金、ブラジル日本商工会議所など、様々な日系団体が同団体の活動を後援している。
小林代表は、「私たちの活動で集められる額は少ないけど、それでも被災者の皆さんを助けたい」と想いを語った。
義捐金計1825、65レは、在聖日本国総領事館を通して日本赤十字に送られた。同団体の活動状況はHP(spforjapan.web.fc2.com)からも確認できる。