判事殺害に軍警が関与?=銃弾は警官のものと判明=容疑者の事務所を家宅捜査
ニッケイ新聞 2011年8月26日付け
リオ州ニテロイ市で11日に女性判事が殺害された事件で、リオ軍警司令官のマリオ・セルジオ・ドゥアルテ大佐は、軍警察官らが関与していた可能性を認めたと23日付エスタード紙などが報じている。
同州サンゴンサロ市第4刑事部で判事を務めていたパトゥリシア・ロウリヴァル・アシオリ氏(47)は、自宅前で襲撃され、21発の銃弾で殺害された。
現場からは銃弾の薬きょうが回収されており、殺人課の検査によって、殺害に使われた弾は軍警が一括購入後、サンゴンサロ署などに配ったものの一部であったことが明らかになった。
また、軍警は、犯罪の嫌疑を受けて起訴され、パトゥリシア氏から裁判を受ける予定だった軍警察官91人のリストも提出している。
内50人は、犯罪者との銃撃戦で容疑者を殺害していたが、それが正当防衛だったのかが疑われ、同判事の審理を待っている状態だった。ほとんどのケースでは、警察官の証言と監察医の報告がかみ合っていない。検死では、犯罪者らは背部からか至近距離での銃弾を受けたという結果が出ている。
一方、市警は24日、パトゥリシア氏を脅迫していた疑いで賭博屋の事務所の捜査を行い、従業員5人を逮捕した。
2009年に連邦警察が行った軍警と博打屋集団への捜査では、博打屋のルイス・アンデルソン・デ・アゼレド・コウチニョ容疑者の電話が盗聴されていた。
通話記録によれば、同容疑者は「サンゴンサロで爆破が起きる」などと話しており、「ハンマーを叩く人が血の涙を流すことになる」との予告も行っていた。アンデルソン容疑者にはパトゥリシア氏殺害指示者としての嫌疑がかかっている。
一方、ニテロイ市にある軍警第12大隊(BPM)の司令官、パウロ・ヘンリッケ・デ・モラレス中佐は、パトゥリシア氏が勤めていた第4刑事部に起訴されていた5人の警察官を街のパトロールから外した。5人の警察官はニテロイ市に配属となる前は、サンゴンサロ市で勤めていた。
モラレス中佐によると、今回の判断はパトゥリシア氏の判決に基づいたものだという。