ニッケイ新聞 2011年8月30日付け
2014年のサッカーワールドカップ(W杯)開会式について、「リオ市のマラカナンで行う方が適切だ」とゼップ・ブラッター国際サッカー連盟(FIFA)会長が述べたと28日エスタード紙が報じている。
サンパウロ市でW杯の開会式を行うため、コリンチアス・イタケラ競技場(イタケロン)の財政的実行可能性が数カ月にわたって論じられてきたが、同紙インタビューに対し、ブラッター会長は開会式をリオ市で行いたいと明らかにした。
ブラッター会長によると、「メディアセンターは既にリオ市に置くと決まっており、FIFAの本部もリオ市に置かれるだろう。したがって、開会式を行うのに最も適した街はリオデジャネイロだ」という。
一方、29日同紙では、サンパウロ市のW杯会場として使われるコリンチアスのスタジアム経営者らが、ブラッター発言に対し、冷静に反応していると報じた。
コリンチアス代表のアンドゥレス・サンチェス氏はブラッター会長との議論を避け、「既にイタケロンで開会式を行う事は決まっている。心配は無用」と述べている。
FIFA会長の発言には、コリンチアス関係者のみではなく、同連盟総書記のジェロメ・ヴァクレ氏も驚いたが、同氏自身は、予選抽選会の時同様「FIFA本部も開会式もサンパウロ市の予定だ」と繰返している。
また、今回の発言はイタケロンを検査したFIFA検査官の報告書にも反するもの。同報告書には、イタケロンの工事の進捗状況を賞賛する言葉に加え、交通インフラや病院、ホテル、空港などがしっかりしているサンパウロは、開会式を開くにあたってもうらやましいほどの条件を備えていると記されている。