ニッケイ新聞 2011年9月1日付け
スーパーなどで石油製プラスチックの買い物袋の使用を禁ずる自治体が増え、自然分解する〃緑のプラスチック〃の需要が増大。ゴミ袋の販売も増えている。
8月30日付エスタード紙によれば、石油が原料の品より分解し易いエタノール製プラスチックを作り始めたのはブラスケン。南大河州トリウンフォでの生産開始は2010年で、13年には新工場も建設される。
また、米国のダウ・ケミカルやベルギー最大手の化学会社ソルベイはブラジルでサトウキビを原料とする製品生産を宣言後、08年の国際金融危機で事業中断。再開すれば、年産20万トンのブラスケン共々、需要の高まりに対応する事になる。
一方、国内で石油製の買い物袋配布を禁ずる動きが広がる中、需要が高まっているのは緑のプラスチックだけではない。
8月27日付フォーリャ紙によれば、4月に買い物袋使用を禁じたミナス州ベロ・オロゾンテでは、禁止前は5%だった布や不繊布のマイバック使用が、3カ月後は85%に増加。
緑のプラスチック製買い物袋使用率は禁止直後の60%から5%に低下したが、禁止前95%出回っていた石油製プラスチック袋(月60トン相当)を利用していたゴミ捨てに専用袋を使う人が増え、再生プラスチックのゴミ袋販売は15%増。州内の会社も生産量を20%増やした。
この傾向は昨年8月から買い物袋使用を禁じたサンパウロ州ジュンジアイ市でも同様で、石油製プラスチック袋使用量は月80トン減り、ゴミ専用袋の消費は20トン増。全国約3万社、年商8億〜10億レアルの石油製プラスチック袋製造会社には不評だが、この傾向は今後も拡大する見込みだ。