ニッケイ新聞 2011年9月1日付け
サンパウロ州議会(バッホス・ムニョス議長)で8月23日夜、日本移民103周年を記念し、日系社会に貢献した功労者を表彰する式典が開かれた。表彰されたのはサンパウロ市イタケーラ区在住の吉岡ヲサメさん(99、京都府出身)、ブラジル太鼓協会名誉会長の矢野ペードロ氏(78)、元県連会長の与儀昭雄氏(67)、池崎商会社長の池崎博文氏(84)、沖縄県人会ビラ・カロン副支部長の上原テーリオ氏(42)の5人。
主催は西本エリオサンパウロ州議(49、PSDB)。大部一秋在聖日本国総領事夫妻、羽藤ジョージサンパウロ州議、神谷牛太郎サンパウロ市議、文協の木多喜八郎会長などコロニア団体各代表、表彰者の家族ら約300人が参加した。
会場内には移民の歴史を説明したパネルや、折り紙の飾りが施された。日伯両国歌斉唱、太鼓の演奏が披露された後、表彰者一人ひとりが紹介され、壇上に立った来賓がそれぞれ挨拶した。
その後、西本州議から5人に表彰プレートが贈呈され、その都度、会場から大きな拍手が沸き起こった。
息子のパトリシオさん(70)に付き添われて壇上に立ち、表彰プレートを受け取った吉岡ヲサメさんは目に涙を浮かべ、「ブラジルに来て良かった。長生きできて嬉しいです」と喜びの声を寄せた。総領事夫人の栄子さんをはじめ、多くの人々から祝福の言葉をかけられていた。
吉岡さんは37年に渡伯し、イタケーラ植民地に入植。苺、桃などを生産、養鶏も手がけた。同地婦人会、南米本願寺などに所属し、長年活動してきた。現在はイタケーラ日系クラブの活動に参加している。
矢野ペードロ氏はアラサツーバ生まれ。94〜97年にサンミゲル・パウリスタ日系文化体育協会、98〜01年に福岡県人会の会長を務めた。またブラジル太鼓協会の設立を支援、会長として太鼓文化の普及に尽力した。現在はサンパウロ市カルモ公園桜植樹委員会の会長。
矢野氏は、「先祖のおかげ。彼らから学ぶことが多かった。根っこがあるから、そこから収穫が得られるんです」と笑顔を見せた。