ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | エタノール=ガソリンへの混合20%に=原料の生産不足が原因=来年の収穫は5・6%減

エタノール=ガソリンへの混合20%に=原料の生産不足が原因=来年の収穫は5・6%減

ニッケイ新聞 2011年9月2日付け

 エジソン・ロボン鉱山動力大臣が8月29日、現在25%のガソリンへのエタノール(無水アルコール)混合比率を、10月1日から20%に引き下げることを発表したと30日付エスタード紙が報じている。
 発表はジウマ・ロウセフ大統領との会議後に行われたもので、「我々は今年と来年を見据えてエタノールの供給を確保する必要があるが、来年の収量が今年よりも大幅に改善する見込みはない。だから、前もって不足に対処する考えだ」と同大臣は説明している。
 また、「市場への供給不足でエタノールの値上がりを防ぐための措置に加え、保管庫への資金調達など、既に発表されている追加対策を近日中に採用する考えだ」と明らかにした。
 また、エタノールの生産を促し、燃料不足を防ぐため、アルコール関連産業への減税措置も近いうちに発表されると8月31日付フォーリャ紙が報じている。
 農業省バイオエネルギー生産局のマノエル・ベルトネ局長によると、エタノール製造を目的とするサトウキビ売却に対し、PIS/Cofins(社会統合基金/社会保険融資納付金)の削減が行われるという。
 この措置は砂糖産業に対しては既に採られているもので、他にもサトウキビの栽培更新や新規栽培のための新たな融資枠を設ける予定だ。
 8月30日の政府発表によれば、2011/2012農年のサトウキビの収量は、昨農年の6億2390万トンより5・6%減の5億8890万トンとなる見込み。内51%がエタノール生産に回され、145億リットルの含水エタノール(アルコール車燃料や消毒、清掃用)と91億リットルの無水エタノールが生産される見通しだ。
 一方で、エタノールの混合比率が引き下げられることによって、ペトロブラスの石油精製部門がさらに損害を受けることになると31日付フォーリャ紙が報じている。
 ペトロブラスは製油所の設備近代化や新しい製油所の建設を行っているが、国内の需要に供給が追いつかず、原油を輸出してガソリンを輸入している。今年は既に310万バレルを輸入しているが、ブラジルインフラセンター(CBIE)の計算によると、混合比率の引下げで、輸入量を毎月55万バレル増やす必要が生じるという。