ニッケイ新聞 2011年9月3日付け
南米チリの教育改革デモのリーダー、カミラ・ヴァレホさん(23)がチリ政府との仲裁役をブラジル政府に頼むため来伯している。彼女の話を聞いた下院議長のマルコ・マイア氏は8月31日、チリを訪問するための国会議員による委員会の設置を承認したと9月1日付フォーリャ紙が報じている。
下院議長と会ったヴァレホさんは、議員らのチリ訪問を要請し、「チリの学生と政府との間で起きている紛争の現状を知り、仲裁役になってほしい」と訴えた。
チリではここ3カ月間、教育改革を求める大規模なデモが5回以上行われ、7万人から8万人が参加してきたが、中には、混乱を起こし公共物を破壊する目的だけで参加した人もいた。このような人々2千人余りは、暴徒化を招き、機動隊とも衝突していた。
立て続く暴動で、8月26日には警察官の発砲によって16歳の少年が亡くなっている。その後、セバスティアン大統領は学生らの話を聞くために会議を開いており、ヴァレホさんによると、「大統領は私たちの要求に耳を傾け、歓迎し、共感してくれた」と話している。
マイア氏によると、委員会の責任者は、マヌエラ・ダ・アヴィラ氏とルシアナ・サントス氏で、具体的な訪問日程はまだ決まっていないという。