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乳児死亡の2割は若年出産=10〜14歳の妊娠増える
ニッケイ新聞 2011年9月9日付け
ブラジルでは毎日、十代の母親から生まれた1歳未満の赤ん坊が毎日9人ずつ死亡しているが、その6割は死を避け得たはずだと6日付エスタード紙が報じている。
ペルナンブコ州レシフェの非政府組織(NGO)ヴィゾン・ムンジアルが5日に発表したデータによると、2009年に全国で死亡した乳児4万2684人の20%は、十代の母親が生んだ赤ん坊だったという。
乳児死亡の主な原因は妊婦健診の不足などによる早産や低体重出生で、コーディネーターで社会福祉士のネイルザ・コスタさんは、「社会的不平等の結果、死ぬべき理由も無い子供たちが死亡した」と述べている。
十代の女性の妊娠は2003年から2009年に20%減少したが、この現象は15?19歳に集中しており、10〜14歳の少女の妊娠は増え続けている。また、同年代の少女が産み、死亡した乳児の数も年1%のペースで増えている。
2007年の場合、14歳以下の少女が産んだ赤ん坊は2万8千人で、そのうち625人が1歳に達する前に死亡した。また、この年代の妊婦のうち、233人は2度目の出産だったという。
調査によれば、十代で妊娠した少女の半数以上は黒人か混血(褐色)で、49%が北部と北東部の貧しい家庭の出身。
十代での妊娠が最も少なかったのは南東部の16・56%で、南部は19・85%。全国平均は19・92%だった。
同NGOは、10代の妊婦には特別に配慮し、健診などの充実を図るよう求めているが、保健省は、10代の性行為を認めず、避妊指導をしたがらない医師もいるため、対応が難しいという。