ニッケイ新聞 2011年9月9日付け
昨年、ノーベル賞を受賞した鈴木北大名誉教授の講演会が4日に行われた。受賞のさい、ブラジル北大同窓会が祝いの寄せ書きを贈ったことがきっかけ。1日からブラジリアで開催された「第14回世界有機合成会議」での講演で初来伯した同氏をサンパウロに招き実現した。同窓生の本橋幹久氏は「無理を承知での依頼だったが、同窓会のみならず講演まで実現でき、北大の絆を感じた。一生の思い出」と感慨深げ。
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奥さんを「ワイフ」と呼び、ノーベル賞授賞式にも同伴させた愛妻家の鈴木章名誉教授。今回は短期滞在のため一人での来伯。講演会後に催された同窓会では「日本に台風が来ているから心配で」としきりに携帯電話を気にする姿が印象的だった。覗き見るとメールの宛て先には妻の名が並ぶ。ブラジルについては「温かい人々が印象的だった」とか。「今度はワイフを連れてゆっくり訪れたいね」。
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先週末、ヴェルゲイロ駅近くのサンパウロ文化センターであった池坊南米支部の華道展を訪れた。図書館の中央にスペースがあり、そこに生け花と書道の作品が展示されていた。ブラジル書道愛好会の若松孝司さんによると、同センターでスペースを借りるには、無料だが2年前から予約する必要があるそう。常に多くの人で溢れている同センター。確かに、多くの団体が展示したいと思うのは当然かも。