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違法入国者を手伝い逮捕=誘拐罪で終身刑と誤判決

ニッケイ新聞 2011年9月10日付け

 アメリカでの誤判決により終身刑を宣告されたブラジル人2人が、カリフォルニア州の刑務所で健康に問題を抱えながら新たな判決を待ち望んでいると9日付フォーリャ紙が報じている。
 彼らは、アメリカに不法入国していた母親と息子を搬送するはずだったが、最終的には誘拐罪で起訴されていた。
 2005年、アナさんとその息子はアメリカに不法滞在する夫と会いに行くため、飛行機でメキシコへ飛んだ。そこで、夫によって雇われたブラジル人の「コヨーテ」という悪名高い不法移民の密輸業者と合流、トラックで国境を渡った。
 宿泊施設で数日過ごした親子は、コスタ・メサ市のホテルへ移動後、ブラジル人のレイナルド・エイジさん(52)とアラオル・ド・カルモ・オリヴェイラさん(56)により、夫の住むフロリダ州へ移る予定だった。
 しかし、2人がホテルの電話から夫に1万4千ドルを請求した時、別の人に支払い済みだった夫が話が違うと通報したことで、誘拐犯として現行犯逮捕された。
 同件の裁判を担当したカルラ・シンジェー判事は「被害者が置かれていた状態に関係なく、お金を請求したのなら誘拐」と判断。お金目当ての誘拐罪に問われた2人には米国の法律によって終身刑が科せられた。
 しかし、2010年8月、カリフォルニア控訴裁判所がプロセスにいくつもの過ちがあったことを認め、2人に対する有罪判決を無効化。再審が10月31日に予定されている。
 同裁判所によると、アナさんと息子は逃げられる状態であり、暴力的に扱われてもいないと主張。「ホテルの部屋には電話も設置されており、使用することも可能だったため、誘拐ではない」と述べている。
 エイジさんは、刑務所に入ったあと糖尿病と心臓に問題をわずらっており、ストレスによって胃潰瘍や口内炎もわずらった。口腔癌だと診断されており、一刻も早い判決を待ち望んでいる。

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