ニッケイ新聞 2011年9月10日付け
工業化促進で米や麦以外の食糧生産を国外に依存している中国が、アルゼンチンでも大豆栽培を始めると3日付フォーリャ紙が報じた。
中国の公社が米州開発銀行からの借入れを含む150億ドルを投じて行う大豆栽培地は、南部リオ・ネグロ県にあるサンパウロ市二つ分に当たる330万ヘクタールの土地。最新技術を導入して栽培した大豆は、中国が20年間優先的に買い上げる。
公社側は、灌漑設備の他、オリーブ油精製工場建設や積出港整備にも資金を供出する事になっており、10万人規模の雇用創出と農業組合の設立も期待されている。
リオ・ネグロでの事業は、中国にとり同国での大豆栽培への最大規模の投資。生産開始時期は未定だが、現地には中国人技術者も派遣済みだ。
昨年のアルゼンチンの大豆生産は年5千万トンを超え、輸出は約1千万トン。中国への輸出は全体の約75%で、リオ・ネグロでは、10%に相当する年70万トンの収穫が見込まれている。
中国は世界最大の大豆輸入国で、ブラジルでも広大な農地を買い取り、大豆を栽培。中国系企業が広大な土地を買い占めようとした事が、外国人への土地売却規制への動きにも繋がったほどだ。