4万人が14歳以下で婚姻=違法だが貧困層を中心に=少女との婚姻が圧倒的多数
ニッケイ新聞 2011年9月13日付け
14歳以下との結婚は法律上禁止されているにもかかわらず、2010年国勢調査によれば、国内にはまだ4万2785人もの事実婚者が北部や北東部の貧困層を中心に存在することが明らかになったと11日付けエスタード紙などが報じた。
現在、法律的には14歳以下の子供との性交は犯罪とみなされている。ただし、05年までは親の許可があれば結婚することは許された。
民法の規定では互いが16歳を超えないと婚姻は許可されない。この年齢以下の場合は、特別な裁判許可のある場合のみ許される。ただし、ブラジル法律家協会のヘレン・サンシェス会長によれば、「14歳以下に関しては、どのような理由があろうと禁止されており、〃無抵抗者への強姦〃とみなされ、8年から15年の刑に相当する」という。
ところが、国勢調査によれば現実には10〜14歳で事実婚している未成年者4万2785人もいる。同紙では、本人が偽った書類の確認を婚姻登録所が怠っているために起きていると指摘している。
これが集中しているのは地方の僻地や大都市の周辺部などの貧困地区だという。同紙ではその一例としてPさんを挙げている。11歳だったPさんは27歳の青年と恋愛関係になった。「彼には14歳だと偽っていた」という。サンベルナルド・ド・カンポ市の貧しい自宅には従兄弟なども含めて7人の子供がひしめき合っていた。
親から「幼すぎる」と反対され、ひどい口論になって家を飛び出し、青年の住むビリングス湖畔の質素なあばら家に同居し始めた。Pさんは「こっちにはもっと場所と自由があった」とし、翌年にはさっそく子供が生まれた。
現在Pさんは18歳になり、子供は2人、同じ青年と姑と共に住んでいる。「ボールで遊んだりする子供時代を飛ばしてしまったのが、今になって残念だと少し後悔している。もう8年間も学校に足を踏み入れていない。あなたが『(今までの人生が)簡単だったか』と質問するなら、『絶対にそうじゃない』と答える」という。
なお、未成年と大人との婚姻において、未成年が女性の場合が30倍も高い傾向にあると国立地理統計院(IBGE)は報告している。03年から09年まで行われた婚姻について調査した結果、15歳以下だったのが女性の場合は4508件、男性だった場合はわずか150件だった。
女性が未成年の場合、婚姻相手の大半は20歳から24歳で、男性が未成年だった場合、相手の女性は15歳から19歳の場合が大半だという。ただしごく稀だが、相手が60歳以上の場合もある。この6年間でわずか1件、06年にマラニョン州で15歳の少女が65歳年上(70歳)の男性と結婚した例が記録されている。
ただし、同調査によれば15歳以下との婚姻数は確実に減少してきている。