ホーム | 日系社会ニュース | ニッケイ法律相談=その7=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ法律相談=その7=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2011年9月14日付け

 質問=未成年の女性と交際しており、性的関係もあります。最近、女性の両親にそれが露見したのですが、警察に訴えると言ってきました。お互いに好きで交際しているので、親には関係ないのではないでしょうか。
 回答=相手の女性が何歳かによって状況は変わります。14歳未満なら、「同意のもとで交際している」とは判断されません。法律で暴行罪に問われます。14歳以上なら、双方が合意していれば、問題にはなりません。
     ◎
 質問=6年前にレストランを友人とオープンし、共同経営しています。私は2世で、日本にデカセギに行って2年毎に帰国し、その都度数万レアルのお金を渡し、経営資金にしてきました。
 今回が3度目の帰国ですが、オープン以来、未だに一度も友人から収入をもらっていません。利益がないと言うのです。6年も経っていて、しかも大繁盛しているようなのでとても信じられないのですが、どうすれば良いでしょうか。
 回答=お2人で良く話し合われ、和解されるのが一番良いと思います。書類を見せてもらって、収入や支出など経営状態をきちんと確認されるべきでしょう。
 裁判に持ち込むこともできますが、共同経営者のご友人と敵同士になりますし、レストランのためにも良くないと思いますので、裁判にはされない方が良いでしょう。
 必要なら弁護士を雇われると、話が進めやすくなるかと思います。
     ◎
 質問=土地を売ったのですが、買い手から支払いがなかったので裁判を起こし、勝訴しました。雇った弁護士から手数料を請求されたのですが、負けた方が支払うのではないのでしょうか。
 回答=結論から言うと、手数料を支払うのはあなたです。
 弁護士の手数料は2つに分かれます。通常の手数料と「敗争負担」という手数料の2種類です。
 敗争負担というのは、負けた方が勝った方の弁護士に支払う手数料のことです。これは、勝った方の弁護士が受け取れる権利として、法律で認められています。
 勝った方の弁護士はこの敗争負担に加え、自分の依頼人からの手数料を受け取る権利があります。負けた方の弁護士は自分の依頼人からの手数料のみ受け取れます。
 したがって、あなたが雇った弁護士の手数料は、勝敗の如何に関わらず、あなたが支払わなくてはなりません。
     ◎
 質問=遺産相続手続きを始めて8年が経過しましたが、未だに終わっていません。弁護士への手数料の支払いは既に終わっているのですが、なぜこんなに時間がかかっているのでしょうか。
 回答=ある弁護士が進めている仕事について、別の弁護士がとやかく言うことは法律で禁じられているのですが、私から一つ言えることとしては、まだ終わっていない理由が、必ずしも弁護士にあるとは限らないということです。
 例えば裁判所の仕事が遅れていることも考えられますし、もしかしたらあなたにも原因があるかもしれません。
 手続きを進める上で、弁護士から書類の用意を頼まれたり、裁判所に呼ばれたりすることがあると思いますが、そういった要請に従わない依頼人が少なくありません。
 また、裁判にかかる経費を依頼人が支払っていないケースもあります。例えば、遺産相続の場合、相続する全財産の金額のうち4%に当たる金額を、税金として州政府に支払う必要があります。その支払いが滞ると、手続きが進まないのです。