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百年祭=着物代金未納問題に幕=蛯原さん「払い終わりました」
ニッケイ新聞 2011年9月15日付け
「8月4日にようやくお金を払い終わりました」。百周年のサンパウロ市祭典で皇太子殿下の面前で披露された記念曲「海を渡って百周年」の時に踊っていた228人が着ていた着物と帯の代金に関して、3年経っても161万円余の未納分が日本の呉服屋「やまとみ」(広瀬五郎社長)に対してあったことが6月に明らかになった。発注者の蛯原忠男さん(62)は13日午前、東洋街の自らの事務所で、そう胸をなでおろした。
「未払いがあったのは事実であり、私の不徳の致すところ。関係した皆さんには誠に申し訳なかったと思っている。ことに私のために皇太子殿下のお名前まで汚したようで、本当に面目ない」と平謝りする。
百周年協会に対しても、「呉服屋との取引は、もともとは百周年協会が肩代わりするという話があったが、理事会で否決された。あくまでも私が個人としてやったこと。本来この件と関係のない百周年協会にもご迷惑をかけてしまった」という。
未納を暴露する記事が出て以来、辛い気持ちで日々を送っていたが、「私を信じて支援してくれる人から声をかけられると、涙が出るぐらい嬉しかった」とふり返る。「本当は7月中に払い終わるつもりだったが、大震災の影響もあって少し遅れてしまったが、ようやく払い終えてホッとしている」。
呉服屋に関しては、「今はまだ感情の整理ができていないが、いずれ時期を改めて、直接お詫びに出向こうと思っている」と語った。