ニッケイ新聞 2011年9月17日付け
日本の小型風力発電メーカー「ゼファー(zephyr)」社(東京都新宿区)が、サンパウロ市イミグランテス展示場(イミグランテス街道1・5キロ)で、今月15〜17日に開催中の「クリーン再生可能エネルギー生成技術国際見本市ECOENERGY」でブースを出展するため、同社の遠藤友哉社長、経営企画室の内田敦子氏が来聖している。
両氏を見本市に招待した、同社のブラジルでの代理店、フジワラ・エンタープライゼス社の藤原ロベルト社長、アデミール・コスタ、クリスチーナ・タチバナ両氏とともに14日、本紙を訪れた。
ゼファー社は風力、太陽光、水力等のエネルギーに関する機器の開発、製造、販売やコンサルティングを行っており、主力商品は小型風力発電機「エアドルフィン」。世界各国、南米ではブラジルとアルゼンチンに販売代理店を持ち、フジワラ・エンタープライゼス社とは1年半に契約している。
小型風力発電機は02年から、産学官共同研究プロジェクトとして独立行政法人産業技術総合研究所、東京大学、東レ、日立金属、横河電機などが参画して開発。06年に販売開始し、現在までに3千機以上が販売されている。
総重量は18〜20キロで、大型風力発電機と比べて極めて軽量。既存ディーゼル発電の補完電源として使用したり、風の強いビルの屋上、電力のない離島や山頂、砂漠、厳寒地域などの遠隔地にある建物の独自電源として活用できる。
「電力が届かないところを含め、様々な場所に設置できる。需要は大きいです」と遠藤社長。ディーゼルエンジンはコストがかかり補充する必要があるが、小型風力発電機は自然エネルギーで耐久性も良いため、環境にやさしいだけでなく、経済的なメリットも大きい。
ブラジルでは今年から南大河州、ミナス州などで既に導入されており、反応を調査中だという。
土地が広いため送電にコストがかかり、停電も多いブラジル。同社と契約後1年ほど市場を調査したという藤原社長は、「サンパウロや、電気が通っていない遠隔地が多いミナスなどで、州政府から注目を集めている」と力を込める。
遠藤社長は「いくらでも電気が使えるのは、日本を含め世界で7〜8カ国だけ。日本で原発問題が起きてから、自然エネルギーの重要性は世界中で高まっている」と意気込む。
今回の見本市に関して「関心のある方に、まずは個別に情報提供から行いたい」(遠藤社長)
見本市はサンパウロ州エネルギー局が後援。入場無料で、17日まで、午後1〜8時まで開催している。