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IPI増税は国際法廷か=輸入業者が高税率に反発=中国6億ドル投資中止?=ブラジルは強気で強行の構え

ニッケイ新聞 2011年9月20日付け

 連邦政府が15日に発表した自動車メーカーへのIPI(工業税)の増税が大きな波紋を呼んでいる。輸入業者らは税率が高すぎると反発、来週には裁判に持ち込む考えだと17日付エスタード紙などが報じている。加えて中国自動車メーカーのJACモーターは今回の措置に対し、ブラジルへの投資をキャンセルするとまでコメントしている。

 連邦政府は、メルコスール(Mercosul)内で製造された部品を65%以上使用していない車に対し、IPI30%増という国内産業保護政策を行うとの方針を公表した。これにより、国内に工場を持っていない中国メーカーや韓国メーカーはもとより、欧米の輸入高級車が直撃を受けると見られる。
 これに対し、ブラジル自動車輸入業者会(Abeiva)は、関税貿易(GATT)に関する一般協定と貿易関連措置(TRIMS)に関する協定に違反していると国際法廷に訴えるとの考えを明らかにしている。
 また、IPI増税で最も悪影響を受けると見られるJACモーターは、2014年までに6億ドルの投資を行って国内に新工場建設を計画していたが、「増税により利益がなくなった」と今後の工場建設や投資を諦めると、脅しともとれる発言までしている。
 17日付けエスタード紙は「もしも、中国、韓国、欧州、日本、米国が今回の処置を協議し、法廷に共同で訴えることがあれば、国際司法の激しい戦いになる」との可能性も指摘している。
 しかし、連邦政府はギド・マンテガ財相を先頭に、国内の産業を守ることを優先、国際法廷でまっこうから勝負する構えを崩さない。この種の反発は予想されており、ギド・マンテガ財相は「もし誰かが世界貿易機関(WTO)に訴えたら、我々は世界を敵に回してでも戦う」とIPI増税を発表する前の会議で明言していた。同紙は「訴えた国は報復される」とまで報じている。
 マンテガ財相がリスクを負う主な理由の一つは、措置が一時的なものであるということで、1990年にも同様のことが起きた時には、2年後に政策を変更、WTOの紛争から逃れることに成功している。
 一方、同紙によればIPI増税に関して、自動車産業労働者と深い関係のあるサンパウロ金属労組はもちろん、雇用主側であるサンパウロ工業連盟も、「ブラジルの国内産業の技術を上げ、雇用を創出するために、前向きかつ必要な政策だ」と支持する構えを示しており、外国勢対国内勢の争いという構図が鮮明になってきているようだ。

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