ニッケイ新聞 2011年9月22日付け
サンパウロ州の中規模都市(人口5万人以上10万人以下)では、クラック(麻薬の一種)依存症によって治療を求める人の数がアルコール依存症で助けを求める人の数(38%)に並んだと21日付エスタード紙が報じている。
データは州議会のクラックその他の麻薬対策本部によって発表されたもので、同州645市のうち325市に対して調査が行われた。
調査によると、州全体ではいまだアルコール依存症によって治療を求める人の数が、何らかの理由で助けを求める人の49%を占めているという。その後にクラック31%、コカイン10%、大麻9%、合成麻薬0・59%となっている。
調査によってクラック利用の問題がかなり深刻な状態になっていることが明らかになった。クラックが内陸部へと広がったのに加え、少年および青年によるクラックの利用が増えてきている。クラック依存症になり施設で治療している人の内、約3%が9歳〜15歳の少年だという。
一方、調査を受けた地方地自体らは、クラック使用を阻止するための資金が不足していると指摘。わずか5%の地方地自体のみがクラック依存症の患者を治療するための資金を直接州政府から受け取っていると答えている。
同本部のコーディネーターのドニゼッテ・ブラガ議員によると、クラックの使用が内陸部で増えたのには、製糖工場のサトウキビ畑で働く労働者らによる影響が大きく、彼らは1日14〜15時間続けて働くために麻薬を使っており、現在、それが当たり前のようになってきているという。