サンパウロ州議会の不正行為を告発=PTBのロッケ氏が暴く=交付金の一部を議員に返礼=30%の議員が関与か?
ニッケイ新聞 2011年9月28日付け
サンパウロ州議会で少数の議員が「ヴェンダ・デ・エメンダ=(改正法案の販売)」を行っているとのロッケ・バルビエレ州議(ブラジル労働党=PTB)の告発により、同議会はサンパウロ州検察局(MPE)の調査対象になっていると26日付エスタード紙が報じている。バルビエレ氏によると、ヴェンダ・デ・エメンダを行ってお金を儲ける議員はたくさんいるという。彼らは、個人的な利益のために議会の決定などに直接関与しており、「大半ではないが、これらの不正を行いながら生き延びているグループがある」とバルビエレ氏はコメントしている。
「ヴェンダ・デ・エメンダ」とは、ある州議が州議会でなんらかの法案を通すことにより州政府から支払われる交付金の一部を、受領した団体などからその州議が返礼として受け取る手法のことのようだ。
サンパウロ州議会は国内最大の州議会で、94人の州議員がいる。しかし、バルビエレ氏はそのうち25%〜30%の議員が不正を行っていると推測しており、彼によれば、少なくとも30人の議員が改正案を売ることで利益を手にしているという。
この暴露はインターネット上の番組の中で行われており、8月1日にバルビエレ氏が約40分間に渡ってアルトゥ・レアンドロ・ロペス教授のインタビューに答える様子が放送された。
バルビエレ氏は、インタビューであえて不正を行っている議員の名前を挙げておらず、「名前を挙げてもいいが、密告したと言われたくないからあえて伏せておく。そのような不正を行う議員が存在するのは本当だ、私のそばにもいれば、隣にもいる。実際に見たこともあるし、やめるようにと注意したこともある」と話した。
これに対しジェラルド・アウキミン同州知事は、バルビエレ氏の告発を却下し、しっかりとした具体的な内容と名前が挙げられるまでは調査を開始しないと話しており、今のところ資金調達のための規則を変えないと発言している。
一方、観光局のブルーノ・コヴァス長官(民主社会党=PSDB)は26日、エスタード紙のインタビューに対して、賄賂を受け取るように勧められたことがあったと話しており、「拒否し受け取っていない」と述べている。
エスタード紙の記事によると、コヴァス氏は1カ月ほど前にある市のために5万レアルの資金を議会から調達することに成功していたが、後に同市長から5千レアルを誰に渡せばいいかを聞かれたという。
コヴァス氏は、PSDBのサンパウロ市長選への事前候補者4人の内の1人で、アウキミン知事から最も気に入られている候補として名前が挙げられている。