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援協Dr南の=病は気から!?=第3回

ニッケイ新聞 2011年9月28日付け

 それではここで、潜在意識、無意識の差を少し説明しましょう。それは一般的に使われている言葉と意味が少し違うからです。
 意識とは、現実の世界、我が命、社会人、自分は誰であると判断ができる状況、注意がいつも行き届き周囲の様子をはっきり汲み取って、家族のもの、良い立派な人、ヒーローを追いかけていることを意味します。
 潜在意識(Sub consciencia)とは、自分が少しも意識はしないけれど、行動に影響が及び潜んでいることを意味します。
 例えば、前に話しましたセールスマンをモデルとして説明してみます。まず、最初に彼は自分の病気と会社の仕事との関係はまったく知らないですが、ストレスが病気発生の重要の原因であると認識すると、それが自分の心の中に入り込み、実際に病気の原因になる可能性があるのです。
 無意識とは、自分の頭の中にあることを絶対に意識できない精神状態のことです。意識と正反対に無意識の本心は素朴で単純な新生児のように正直なのです。だから、この二つの意識はいつも衝突し揉み合っているのです。
 たとえば、赤ちゃんは少しも融通が利かず、泣き喚きたてます。小児科医がその愚図り方によって赤ちゃんの願いがわかるように、精神科医は病症のタイプによって、無意識の不満がわかるのです。
 浮世の意識と子宮内の世界の閉じこもった無意識は正反対、裏と表、日と陰、それを精神科医はポラリダーデ(Polaridade)と呼びます。それは南北(Polos)の両極を意味するのでしょう。
 このように、私たちの心は二つの欲望が衝突し合戦が起き、その残骸が私たちの健康に影響を与えるのです。
 そして、無意識に隠されている願い事が、シンボルや暗号に託された形で意識に浮上してきています。でも、精神科医の協力無しで、その内容を理解することは困難です。
 それは催眠術、自己瞑想精神分析、リラックス等を通じて、はじめて理解できるそうです。その隠され、秘められている欲望を知って何の役に立つのでしょうか?
 なるほど、大きな不安でありますが精神科医が行なう治療法の武器であり、精神分析(Pisicoanalise)を行なうための一つの目的でもあります。
 自らの欠陥も美点も知り、痛もうと痛むまいと、あるがままに潔く受け入れることは、自分に正直、裏表のない人間になる仕上げを意味しているのです。
 精神学的に申しますと二つのエゴ(Ego)が知り合い、分かり合い、理解しあい、仲直りすることによって、病気の治療となりますよと言っているのです。
 医学の父であるヒポクラテス(Hipocrates)は、こう格言を残しています。「人間よ、自分自身を知りなさい」、すなわち自分の秘められた裏の部分にまで目を配る事を提案しています。それは無意識の部分も含めて、自分を理解するように努力することを意味します。
 無意識は身体に無鉄砲に病気を起こしません。他のいろいろなファクター(因子)との関係によるのです。それは生活の質、すなわち、食習慣、食料品、運動、精神、悪中毒(タバコ・アルコール)などです。
 遺伝もありますが、このような原因は人間の気力でコントロールが可能なのです。(つづく)

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