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世界民族芸能祭=40回迎え、21カ国が参加=ウクライナ移民120年祭も祝う=各国総領事館からも出席

ニッケイ新聞 2011年9月28日付け

 ブラジル日本文化福祉協会が主催する『第40回世界民族芸能祭』が24、5の両日、同協会大講堂で行われた。今年のウクライナ移民120周年も記念した。参加国の移民祭を合同で祝うのは初。カナダ、ポーランド、アンゴラの総領事も出席するなど、各国から多くの来賓、約1500人の観客が詰め掛け、世界21カ国の伝統芸能を楽しんだ。

 開会式の挨拶で木多喜八郎文協会長は、「祭りを通してさらに移民同士の絆を深め、平和な世界を築いていきましょう」と述べた。
 続いてウクライナ大使館のオレクシー・リアシェンコ顧問が「移住開始から母語、祭りなど文化継承に努め、120年を迎えることができたのは大きな喜び」と話し、ジョージ・ヘプカ名誉領事も祝辞を述べた。
 横溝オズワルド同芸能祭実行委員会副委員長は、「72年に第1回が開催されて以来、各国間の平和、理解、尊敬を促進できたのは多くの協力者のおかげ」と関係者に感謝を表した。
 各国の演目でトップを飾ったのはドイツ。田園風の衣装を身にまとった男女が軽やかなステップでくるくる回り、麦を轢く様子や収穫、結婚式などめでたい日の喜びを表現した。
 豪華絢爛に着飾ったアラブの女性たちはステッキを片手に登場、世界でベリーダンスと呼ばれ人気の高い、羊飼いの動きを模したダンスを披露した。
 ウクライナは軽快なアコーディオンやタンバリンの演奏にあわせ、子供も一緒にホパークと呼ばれるコサックダンスで会場を盛り上げた。伝統芸能活動が盛んとだけあって迫力の舞台に観客らは大喜び、「ブラボー」と大歓声が起こった。
 アフリカ、ボリビア、ロシア、台湾、スペインなど各国の多彩な芸能が繰り広げられ、それぞれの文化に特徴的な動きに観客も興味深げに鑑賞していた。休憩時には食べ物、伝統工芸品コーナーも大いに賑わった。
 林アンドレ同祭実行委員長は、「差異があることを前提に、お互いの存在を認め合うことが真の平等」と祭りの意義を語り、「今後記念祭を迎える国とも、合意が得られれば合同祭を続けて行きたい」と意欲を見せた。
 ベルナンデ・ガルバナニュさん(65、サンパウロ市)は、「色々な国の文化を少しずつ学べてとても面白かった」と話した。
 夫がウクライナ人というヴェラ・クズダさん(60、サンパウロ市)は、感動した様子で「15年間ずっと見に来ている。全ての国にノッタ10を上げたいくらいよかった」と喜んだ。