ニッケイ新聞 2011年9月29日付け
「法服の後ろに隠れた悪人がたくさんいる」とのエリアナ・カルモン国立司法監督官の公式発言を受け、CNJ(国家法務審議会)を前例のない衝撃が襲っていると28日付フォーリャ紙などが報じている。CNJのセザル・ペルソ長官は27日、裁判官の不正を監視する組織からのこの批判に対して、緊急会議を開いており、裁判官への処罰を巡り司法内部で意見が対立している。
連邦高等裁判所(STJ)の判事でもあるペルソ長官は、カルモン監督官の発言のコピーを持参して緊急会議に出席した。始まってすぐに、「あなた方の中にまだ読んでいないという人がいるなら、すぐに読むべきだ。40年間の経歴の中で、こんな深刻なものを読んだのは初めてだ」とコメントした。
「デゼンバルガドール(上級判事)が自身の犯罪から逃れるために、ジュイス(通常の判事)を自分のいいように利用することは珍しくはない」とカルモン監督官はサンパウロ市新聞協会(APJ)のインタビューに答えていた。
また、「上級判事は下の判事に対して、差し止め命令や人身保護といった軽い判決を要求しており、これに従った判事は将来昇任が保証されることになる」と説明、「現在、高等裁判所の上級判事を決めるのは政府で、これによってより悪い判事が司法のトップにたどり着くことになる」と現在の制度を批判した。
これに対しペルソ長官は、カルモン監督官の発言は「軽薄な告発」だとコメント、「国内の判事の能力や素質、適応性を疑うもので、国内の司法制度を侮辱している」との公開書類には、CNJ役員の内15人が署名しており、大半の支持を得ている。
一方で27日夜、「司法全体について述べていたのではなく、ある数人の人たちについて話した」とエスタード紙のインタビューに対してカルモン監督官は答えている。
また、ブラジル司法官協会(AMB)はカルモン監督官に対してより詳しい説明を求めており、名前や証拠など書類の提出を要求している。