ニッケイ新聞 2011年9月29日付け
8月末に基本金利(Selic)が12%に下がったことに関連して、クレジット(信用貸付)が増えていると28日付けエスタード紙などが報じている。
上半期のクレジット市場の拡大傾向と、基本金利が今後も下がり続ける傾向にあるとの市場判断が広まっていることを受け、中央銀行(BC)は今年のクレジット市場の拡大予測を15%増から17%増に見直しした。
欧米の金融危機が深刻化しているにも関わらず、国内の貸付市場は拡大し続けており、年末までには国内総生産(PIB)の49%に相当する金額に達すると見られている。以前の予測では48%だったが、8月時点ですでに47・8%に達している事から今回引上げた。
この貸付増を牽引しているのは、ブラジル銀行、社会経済開発銀行(BNDES)、連邦慮地区銀行などの公立銀行で、当初の予測15%増を大きく上回る18%のペースで増加している。これは旺盛な住宅ローンの大半が連邦貯蓄銀行であり、BNDESの企業向けの融資も増加していることによる。
ただし、信用貸付が増えているのと同時に、貸し倒れ率も8月から再び高まって5・3%に達している。この割合は、昨年1月からもっとも高い数値であり、もし返済期限を90日以上遅れているという貸し倒れに近いケースを含めれば5・5%にもなることから、楽観をゆるさない状況にあると見られている。