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琉球民謡保存会=民謡の祭典を華やかに=老若男女がのどを披露=約200人が聞き入る

ニッケイ新聞 2011年10月4日付け

 琉球民謡保存会ブラジル支部(座嘉比昇支部長)が主催する「第5回民謡の祭典」が25日午後、サンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会本部で開かれた。約200人が訪れ、会場に終始響き渡った三線と太鼓、ギターの演奏と琉球民謡の調べに熱心に耳を傾け、約6時間にわたり演奏された20のプログラムで一日を楽しんだ。
 保存会会員をはじめ、バウルー、サンタクララ、グアル—リョス、ビラ・プルデンテ、サントスなどから、指導者や新人を含め100人を超える出場者がグループ、個人で次々と舞台に上がり、民謡の独唱や合唱、舞踊など日頃の練習の成果を披露した。
 またこの日、毎年沖縄で開かれている「民謡の祭典」への出場者選考のため、同支部が実施し80人ほどが出場した民謡コンクールで入賞した大城カロリーナさん、宮城美智子さん、国吉隆治さん、グランプリを獲得し沖縄の祭典に出場した仲本末子さん、明男さん夫妻の演奏も披露された。
 開会式では先亡者へ一分間の黙祷が捧げられた後、座嘉比昇支部長は来場者に謝意を示し、「毎年盛大になってきている。盛り沢山のプログラムを楽しんでほしい」と挨拶した。
 保存会の教師と師範らがかぎやで風節、祝い節、鶴亀節を斉唱して幕開けした。
 4番目に発表したバウルー民謡愛好会(12会員)は、4時間かけて来聖。「娘ジントヨー」「島造い」を演奏。一世はおらず、二世が3〜4人のほかは三〜四世で構成されている。ガルサの桜祭りやマリリアの日本祭りで演奏している。
 ビラ・プルデンテから訪れたゲンカ・タリタさん(20、四世)は、一カ月前から三線を始め、今回初出場。小さい頃から沖縄文化に親しんでいたという。
 メンバーと揃いのピンクの半被をまとい、最前列で「安里屋ユンタ」を発表。「皆と一緒だったから、緊張はしませんでした」と楽しんだ様子だった。
 米須正実行委員長は、「レベルはまだまだだが、年々上達している。各支部で皆さん日々練習に励んでいる」と語り、近年は若者の間に愛好者が増えていることについて、「必ず受け継いでくれると思う。頼もしく感じる」と笑顔で話した。