ニッケイ新聞 2011年10月5日付け
4 治療 (Terapeutica)
心身症に関しての治療は、普通に考えれば私たちの様な内科医ではなく、精神科医か心理学者(Psiquiatria ou Pscologa)が診るのが当然で筋が通っているのです。
しかし、以前に申しましたように今も昔も精神科医の数は、非常に少ないのです。だからといって、私たちのような内科医が精神障害者の内心を突くことは心に混乱を起こし、病気をかえって悪化させる危険があるため勧められません。せめて、鎮静剤だけでもとお思いになる人もいますが、副作用、主に薬依存症(Dependencia)、癖になりかねないので、避けるべきです。
精神科医は、私のこのような陽気な滑稽な解説のしかたに大笑いだと思います。私はこのような問題については素人なのです。素人から素人へと、同じ言葉を使って話しかけているのです。その方がお互い心が通じ合うのではないでしょうか。
これから、ストレスを自分なりにコントロール、操る方法のアイデアを交換してみませんか。
ストレスは文明の煙のようなものであって、サンパウロのような大都会に住みたい、住まなければならない人はやむないことです。私たちのストレスは圧力鍋内のような仕組みになっています。内圧が上がれば、その倍、シュッシュッとバルブラ(弁)から必要なだけ吹きだします。
内気圧の自動コントロールが故障すると大変、すぐに爆発します。人間に置き換えるならば心筋梗塞、脳梗塞でしょう。ならば、人間も頭内のストレス・圧力をコントロールすればよいでしょう。これが非常に難しいことです。
多くの雑誌、新聞等に次のような手段が目に付きます。繰り返しになりますが、順序のためもう一度お読みください。催眠学法(イピノーゼ)、瞑想(Meditacao)、ヨガ、鍼、マッサージ、お祈り、スポーツ、カラオケ、ダンス等です。
このどの方法であろうが責任感を重荷にしては逆効果をもたらします。また、ストレスの支配に迷い、過剰解放による乱暴な行動、悪遊び、喫煙、アルコール中毒のような悪習におぼれる人も少なくありません。
また正反対にボランテイアのように善を選び、人様に役立つ満足感でストレスを追い払う方法を紹介いたしました。
ストレスから起きる病気の100%の原因は許し合わない状態から生じると言っています。
そういえば、私達が子供の時代に似たような文句を聞きました。「ならぬ堪忍するが堪忍」その時は風の声のように聞こえましたが今になって、なんと深い意味が潜んでいたことが分かりました。
昔の人達は、私達が、どれほど許しかねないことのために、苦悩が絶えないことを知っていたのです。そして、今から二千年前、キリスト様もこのようなお説教をなさっていました。「お互いに無礼を許し合いなさい」、と。
終わりに、精神科医のように知識をお持ちの方達と私のアイデアは一致合体しないところがあると思います。その点、自己判断で書かせていただきましたので、ご容赦ください。最後までお読み下さいまして有難うございました。
この文章の作成には、サンパウロ日伯援護協会の秋山職員の協力を頂き、皆様と一緒にお礼申し上げます。