ニッケイ新聞 2011年10月6日付け
複数のサンパウロ州議員が「改正法案の販売(ヴェンダ・デ・エメンダ)」を行っているとの告発をしたロッケ・バルビエレ州議(PTB)は4日、サンパウロ州議会をそれぞれ自分勝手に販売する露店市場と比較したと5日付伯字紙が報じている。
エメンダとは議員らが提出する改正法案のことで、承認されたプロジェクトへの資金は政府の予算から支出される。
今回の問題についてバルビエリ氏が初めて語ったのは8月1日、「94人いるサンパウロ州議員の内、20〜30%の議員が改正案の販売で利益を得ている」とアラサツーバ市発行の「フォーリャ・ダ・レジオン」紙のインタビューに答えていた。
告発後、初めて議会に戻った同議員は4日、不正行為については現サンパウロ州政府にも警告していたと再度発言し、議会内の事務所で行われたインタビューには「こういった不正行為は露店市場と一緒。それぞれが独自に交渉を行い、個別の方法で販売、売値も自分で決める」と答えている。
サンパウロ州議員は毎年、200万レアルの助成金を建設物や病院、その他のプロジェクトへ供出するための改正法案を出す権利を持っているが、「議員の中には選挙で一票も得られなかった市への助成金を要請する人もいるが、彼らには資金を調達する正当な理由がない」とし、不正なやり取りの見分け方を示唆した。
同日付フォーリャ紙ではこういったケースが確認されている議員を名指しで挙げており、少なくとも6人の議員が一票も得られなかった市へ資金を調達している。
列挙されたのは、ジウマシ・サントス(PRB)、オルランド・モランド(PSDB)、ジウモ・ドス・サントス(PV)、エジ・トーマス(PSB)、ジェラウド・ヴィニョリ(PSDB)、ヴァネッサ・ダモ(PMDB)の各氏で、5万〜15万レアルの法案が承認されている。
また、ブルーノ・コヴァス観光局官(PSDB)も一票も得られなかった市に対して10万レアルを調達しており、賄賂受け取りかと調査の対象になっていたが、州政府は書類に過ちがあったと説明している。
その他、倫理委員会委員長のエリオ・ニシモト議員(PSDB)は、一票しか得られなかったラヴリニャス市へ15万レアルを調達していた。
今回の告発を受け、サンパウロ州検察庁は既に調査を開始。バルビエレ氏は事実関係を記した文書を作成し、6日に議会倫理委員会に提出するというが、不正を行っている議員の名前は検察官以外には明かさないと名言。「頭に銃を突きつけられても名前は出さない」とバルビエレ氏は発言しており、密告するようなことはしたくないと話している。